Windows OSで収集したカウンタデータをパフォーマンスモニタで表示させる:Tech TIPS
システムの動作状態を記録するには、パフォーマンスカウンタの値を定期的に収集して保存しておけばよい。typeperfコマンドなどで保存されたデータを表示するには、パフォーマンスモニタにロードする。データをロード後、表示の対象となるカウンタを追加するとグラフに表示される。
対象OS:Windows XP/Windows Vista/Windows 7、Windows Server 2003/Windows Server 2008/Windows Server 2008 R2
Tech TIPS「typeperfコマンドでシステムのパフォーマンスカウンタのデータを収集する」「パフォーマンスカウンタのデータをスケジュールに従って収集する(Windows XP/Windows Server 2003編)」などでは、システムに用意されている各種のパフォーマンスカウンタの値を定期的に収集し、ログファイルに記録する方法について解説した。
収集したログデータはCSV(カンマ区切りのテキストファイル)やTSV(タブ区切りのテキストファイル)、BIN(パフォーマンスモニタ用のバイナリデータ)形式で保存される。保存したデータは表計算ソフトウェアやグラフ化ツールなどで表示できる他、パフォーマンスモニタでも確認できる。本Tech TIPSではその方法について解説する。
保存したカウンタデータをパフォーマンスモニタにロードして表示する
保存したデータをパフォーマンスモニタで確認するには、ログファイルデータの表示機能を利用する。ツールを起動後、ツールバーにある[ログ ファイル データの表示]アイコン(ディスクの絵のアイコン)をクリックする。[Ctrl]+[L]キーでも起動できる。
[システム モニタのプロパティ]ダイアログが開いたら、[ログ ファイル]で保存したデータファイルを指定する。
なお、CSV/TSV形式の場合は、データファイルの先頭行がヘッダ行であることを確認しておく。typeperfコマンドの出力結果をリダイレクトで保存した場合、先頭に1行だけ空行が入っていることがある。そのようなファイルはエラーとなってロードできない。typeperfに「-f」や「-o」オプションを付けてCSV/TSVファイルを作成すると正しいデータファイルが作成できるので、これを利用するとよいだろう。オプションの詳細については先のTech TIPSを参照していただきたい。
ファイルの指定
保存したデータファイルをここで指定する。テキストファイルの場合、指定できるファイルは1つだけである。
(1)[ソース]タブが選択されていることを確認する。
(2)デフォルトではこちらが選択されている。これはシステムの今の状態をモニタするオプションである。
(3)これを選択する。これから分かるように、データをロードするというよりは、実際にはデータソースが変更されるだけである。後でカウンタオブジェクトを指定/追加した時点でデータがロードされる。
(4)これをクリックして、保存したデータファイルを指定する。先頭が空行のCSV/TSVデータファイルの場合は、データソースが無効というエラーが表示される。
(5)このようにファイルを指定する。テキストファイルの場合は指定できるファイルは1つだけである。バイナリ形式であるBLGファイルなら複数指定できる。別のテキストファイルにするためには、既存のファイルを[削除]ボタンで削除する。
ファイルをロードすると、自動的にグラフが表示されるはずである。とはいえ、パフォーマンスモニタは、デフォルトでは「自コンピュータに関するいくつかのカウンタ」のみを表示するようになっている。そのため、これらのオブジェクトに一致するデータがファイルに含まれていないと、何も表示されない。
以下の例では、CPUに関するカウンタだけが含まれたログファイルをロードしたので、CPUの使用率だけが表示されている。
データファイルに含まれるそれ以外のデータを表示したければ、手動で表示させるカウンタを追加しなければならない。また、ほかのコンピュータのカウンタデータをロードした場合も、デフォルトでは何も表示されないので、手動で追加する。
表示されたデータの例
ロードしたデータを表示したところ。データファイルにはCPUの使用率が含まれていたため、それが表示されている。ディスクやメモリに関するデータは含まれていなかったため、このグラフには表示されていない。
(1)表示されたCPU使用率のデータ。データの最初から最後までがすべて表示される。
(2)デフォルトのカウンタセット。ロードしたデータ中にこれらのカウンタが含まれていればそれが表示される。違うカウンタや別のコンピュータのログの場合は表示されない。
(3)データファイル中のカウンタをすべて表示させたければ、これをクリックして、対象となるコンピュータやカウンタなどを指定する。
パフォーマンスモニタにロードしたデータの表示期間を設定する
ロードしたデータは全期間に渡って左右いっぱいの範囲に表示される。その期間を限定して、特定の期間だけを詳しく表示させることもできる。そのためには、先ほどのダイアログで表示する時間範囲を指定すればよい。
表示する期間の変更
システムモニタのプロパティで表示させる期間を限定できる。
(1)データの最初。
(2)表示の開始時間を変更するにはこれをドラッグする。
(3)表示期間をスライドさせるにはこれをドラッグする。
(4)表示の終了時間を変更するにはこれをドラッグする。
(5)データの最後。
(6)これをクリックするとグラフがすぐに更新されるので、確認しながら表示期間を変更するとよい。
なお、Windows Vista/Windows Server 2008以降のパフォーマンスモニタでは、グラフ画面上でマウスをドラッグして範囲を指定し、右クリックのポップアップメニューから[拡大]を選んで、その部分を拡大できる。
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