お祈りメール対処法――不合格の原因は何かを考える:理系学生のための「就活」お悩み相談室(4)(2/2 ページ)
年明け、いよいよ就職活動が本格化する。面接や自己分析などがうまくいかなくて、悩む場面も多くなるだろう。学生相談を担当するカウンセラーが、就活生の悩みに答える。
不合格の理由が分からないから、「原因は自分?」と考える
課題がうまくいかなかったときの原因を「自分の能力不足」や「課題の困難度の高さ」と考えると、劇的な変化が期待できないため、次への希望が持ちにくくなります。しかし、いくらでも変化する可能性のある「自分の努力」や「運」が原因だと考えると、将来への希望や意欲を持てるようになります。就職活動の場合は、不合格通知の原因を、
- 今年の就職活動は厳しいから(課題の困難度)
- 自分には能力や資格がないから(自分の能力)
ではなく、
- (自分の努力不足だった)ゆえ、少し工夫すればチャンスがある
- (運が悪かった)ゆえ、会社や時期を変えれば、またチャンスがある
と考えると、前向きな意欲を持つことができます。
逆に、もし合格通知を受け取ったときには、「自分の能力」と「課題の困難度」に注目しましょう。
- 自分の能力が認められ、求められた
- この厳しい時代によく頑張りぬく力があった
と考えると、将来の意欲につながります。
変化できるものに着目する
変わらないものにこだわりすぎるより、変わるものに手をつけていきましょう。そうすると、意欲が向上して落ち込むことが少なくなります。
いま一度、「履歴書でアピールできるところはないか」「学生時代の体験や志望動機を、より興味深い緻密なものにできないか」と再確認しましょう。さらに、「面接日の髪型をもっと素敵にしよう」「企業の幅を広げてみよう」など、まだ変化の可能性があることに着手してみてください。
息抜きに罪悪感を持たないように
社会に出ると、あらゆる場面で困難な状況を突破する力が求められます。いまの経験は、将来のために必要な「価値ある体験」です。つらい経験で、日々成長していると考えましょう。また、気分転換に罪悪感を持つ必要はありません。好きなこともやりつつ頑張ってください。運はめぐり、相性のいい会社が現れるかもしれません。
参考文献
- 大野裕『こころが晴れるノート―うつと不安の認知療法自習帳』創元社、2003年。
- バーナード・ワイナー/林保・宮本美沙子監訳『ヒューマン・モチベーション 動機づけの心理学』金子書房、1989年。
筆者プロフィール
松浦 慶子
臨床心理士・日本カウンセリング学会認定カウンセラー。
国際基督教大学心理学科卒業、筑波大学大学院教育研究科カウンセリング専攻修了 。大学、専門学校での学生相談や講師、精神科睡眠障害外来での医療相談、EAP機関・ピースマインドにて社員や家族のカウンセリングなど、幅広く相談活動を行っている。
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