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5分でわかるフェムトセル5分で絶対に分かる(6/6 ページ)

見た目は無線LANのアクセスポイントによく似ているけれど、実は一般家庭や小規模オフィス向けの携帯電話用の超小型基地局として動作する「フェムトセル」。その生まれた背景や今後果たす役割を解説します。

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5分 - ホームICTの中核へ、フェムトセルの今後

 これまでの解説でフェムトセルの概要、そして現状を理解していただけたかと思います。前述した考慮点を克服し、携帯電話ユーザーにとってのメリットが明らかになってくるに従い、フェムトセルの普及は加速していくでしょう。

 一昔前、インターネットはPCの前に座って使うものでした。それがいまでは、携帯電話やスマートフォン、そしてiPadなどに代表されるタブレット型コンピュータを用いて、「いつでもどこでも快適なインターネット」が当たり前の時代になっています。

 このような環境を実現するため、そしてさらなる利便性の向上を求める携帯電話ユーザーのニーズを満たすために、移動体通信におけるフェムトセルは、なくてはならない存在といえるでしょう。これは、現行方式の3Gはもちろん、そしてサービス開始が間近のLTE、さらにその次の世代の移動体通信方式であるLTE-Advanced(4G)においてもいえることです。

 この先フェムトセルは、家庭用の超小型基地局としてだけではなく、Wi-Fiアクセスポイントやブロードバンドルータなどの機能を統合し、ブロードバンド、3G、Wi-Fi、そしてBluetoothといった多様なインターフェイスを備えた、各家庭の情報通信の「ハブ」として、ホームICTの中核的存在に昇華する可能性を秘めています。実際に、海外ではすでにそのような事例が生まれています。

図5 ホームネットワークの中心的存在へ
図5 ホームネットワークの中心的存在へ

 具体的な例として、帰宅した際に、外出先で撮影した携帯電話の写真や動画、そして更新されたコンタクトリストなどの携帯電話内の各種データが、フェムトセルを介して自動的にPC上のアプリケーションと同期したり、FacebookなどのSNSサイトへ自動的にアップロードされる、というユースケースが想定されます。

著者紹介

株式会社エアヴァーナ

野田 真(ノダ マコト)

日本国内の通信事業者、通信機器商社を経て、2009年より株式会社エアヴァーナにてフェムトセルに関するエンジニアリング業務に従事。



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