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5分でわかるフェムトセル5分で絶対に分かる(5/6 ページ)

見た目は無線LANのアクセスポイントによく似ているけれど、実は一般家庭や小規模オフィス向けの携帯電話用の超小型基地局として動作する「フェムトセル」。その生まれた背景や今後果たす役割を解説します。

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4分 - フェムトセルが抱える課題

 これまでに説明してきたとおり、多くのメリットを持つフェムトセルですが、いくつか重要な課題が存在します。以下に代表的なものを挙げていきます。

 フェムトセルは、既存のマクロセルやマイクロセルと同じ周波数帯域で運用されることになります。この場合、近接するほかの基地局(既存のマクロセルや近隣のフェムトセル)と電波が干渉する可能性が、少なからずあります。

 また、マクロセルとフェムトセルのサービスエリア間を移動する際に発生するハンドオーバーに関しては、通信料金の観点(注4、そして技術的な観点から、明確な指針が定まっているとはいえません。

 次に、フェムトセルは、Wi-Fiと違って免許が必要な周波数帯の電波を用いると述べましたが、これは設置/運用が厳格化されていることを意味します。誰もが自由に家電量販店などでフェムトセルを購入し、自らの意思で設置はできないのが現状です。

 一般的に、フェムトセル設置に当たっては、移動体通信事業者による周辺を含めた屋内の電波環境の調査が行われ、そして総務省への申請・許可後、宅内に設置されます。またその後は(一部の例外はありますが)、基本的に主任無線従事者によって運用/管理されます。

図4 フェムトセルが抱える課題
図4 フェムトセルが抱える課題

 また、フェムトセルはバックホールにインターネット回線を用います。読者の方々がご存じのとおり、インターネットはベストエフォート、かつセキュリティに関しての保障があるわけではありません。これらを克服するために、IPSecなどの暗号化技術の導入や緊急呼(110番、119番など)に対して適切なQoSを実現できる仕組みを導入しなければならないでしょう。

注4:フェムトセル経由の通信の場合、移動体通信事業者が通信料金を割引する可能性があるためです。


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