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HTML5アプリ開発基盤「Meteor」がすごいHTML5とかtopi(8)(2/2 ページ)

サーバもクライアントもJavaScriptで記述できる「Meteor」が注目を集めている。サーバ上のコードが変更されると、クライアントも自動的に変更されるという

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Titanium Mobile 2.0リリース

 JavaScriptでスマートフォン向けネイティブアプリを作成できる、Titanium Mobile 2.0がリリースされました。

Titanium Mobile

 今回のバージョンアップの目玉は、Appcelerator Cloud Service(ACS)と呼ばれるクラウドサービスと統合されたこと。

 ACSの特徴は、クラウドならではのスケーラビリティに加えて、サーバからのプッシュ通知や画像のアップロード、位置情報やチェックイン機能、ソーシャルメディアとの統合など、モバイルアプリが必要とするサービスをAPIとして提供していることです。こうしたクラウドサービスは、BaaS(Backends as a Service)と呼ぶのが一般的になりつつあるようです。

Windows Developer Daysが開催

 4/24、25と、マイクロソフトが主催する開発者向けイベント「Windows Developer Days」が開催されました。話題の中心は当然Windows 8で、開発に関する話題とWindows Storeに関する話題が中心を占めていました。

Windows Developer Days

 ぼくも、html5j.org代表として登壇しました。「html5j.orgがHTML5+JavaScriptで Metro Style アプリを作ってみた」と題したスライドは、Web技術者向けにMetroスタイルアプリの開発方法を分かりやすく解説したものです。興味がある方は参照してみてください。

CSS Variables Module Level 1が公開

 CSSで変数を使えるようになる仕様のドラフトがついに公開されました。保守性の高いCSSを記述するため、CSS内で変数を使えるようになることは待ち望まれていました。

 例えばbgColorという変数を宣言するには「var-bgColor: black;」、この変数を使うには「background-color: var(bgColor);」と記述します。以前はdataという接頭辞でしたが、varという接頭辞に変わったようです。

dialog要素が追加された

 一般的なダイアログを表す新しい要素、dialogがWHATWG HTML(コミュニティベースで進められている、HTML仕様を更新していくためのワーキンググループ)に追加されました(4.11.6 The dialog element)。

 この新要素がHTML5にも反映されるのか、実装が登場するのかは未知数ですが、WebアプリにダイアログのUIは不可欠なだけに、使い勝手がよさそうで期待できます。以下の記事によれば、ダイアログをフルスクリーン表示することも可能なようです。

Media Source仕様のドラフトが公開

 まだアンオフィシャルなドラフトです。

 メディアデータをJavaScriptで生成し、video/audioに「食わせて」再生できるというもの。

 これはまた、Webアプリで「やれること」を大きく広げてくれそうなAPIですね。WebSocketでストリームデータ配信&videoで再生、とかがパッと思いつきました。

File API関連の2仕様が公開

 File API:Writer(Webアプリからのファイル書き出しを実現する仕様)とFile API:Systems and Directories(Webアプリが利用可能な仮想ファイルシステムの仕様)が正式に公開されました。

HTML Editing APIsが公開

 Webページ上でWYSIWYGエディタを作成するためのAPIが公開されました。以前はHTML5仕様の一部でしたが、ラストコール前に分割されたものです。

CSS Backgrounds and Borders Module Level 3が勧告候補に

 background, border-radius, border-image, box-shadowなどが定義された仕様が勧告候補になりました。ここらへんのCSSプロパティはすでになじみ深い感があります。

CSS Image Values and Replaced Content Module Level 3が勧告候補に

 background-imageなど、画像を指定できるCSSプロパティに、新しくimage()という記法を使用できるようにする仕様です。image()を使うと、従来のurl()を使ったものに対して、以下のようなメリットがあります。

  • Media Fragment URI (http://www.w3.org/TR/media-frags/)を使用できる(例:background-image: image('sprites.png#xywh=10,30,60,20') )
  • 画像の読み込みに失敗した際のフォールバック画像を指定できる。(例:background-image: image("wavy.svg",'wavy.png' , "wavy.gif") )
  • 色も直接指定できる。(例:background-image: image(rgba(0,0,255,.5)), url("bg-image.png") )

 この仕様では他にも、画像の向きを変えるimage-orientationや、画像をオブジェクトにフィットさせるobject-fitなど、注目に値するプロパティがたくさん。勧告候補になったということもあって、一度きちんと目を通しておきたいです。

WebIDLが勧告候補に

 W3Cの仕様書でAPIを定義する際に使用されるIDL(インターフェイス定義言語)が勧告候補になりました。仕様書を書く人にとっては重要ですね。

Server Sent Eventsがラストコールに

 サーバからのデータプッシュをHTTP上で行うための標準仕様がラストコールになりました。

メディアクエリが勧告案に

 最近はやりのレスポンシブWebデザイン、中核をなすのはこのテクノロジーです。

 表示メディアの種類やスクリーンのサイズに応じて、適用するCSSを切り替えられます(詳細)。

HTML5の編集者が交代に、HTML.nextに向けた体制づくり

 HTML5の仕様編集者が現在のイアン・ヒクソン(hixie)さんから交代になり、現在募集中です。

 これらの経緯については矢倉眞隆さんのブログ記事に詳しく書かれています。

 HTML5が勧告に向けて仕様の安定化を図られる一方、HTML.nextと呼ばれる次期HTMLに向けた動きも加速していきそうで、今後もHTML関連仕様から目が離せません。また、WHATWGがコミュニティグループとして仕様を提出する体制もでき、早速フルスクリーンAPIの仕様が公開されています。

終わりに

 今回は、2012/4/9から2012/4/27の3週間分のニュースをまとめてお伝えしました。今回もさまざまなニュースがありましたが、特にMeteorには個人的に注目しています。

 ではまた、次回の記事でお会いしましょう!

著者紹介

白石俊平

白石俊平(@Shumpei

シーエー・モバイルWeb先端技術フェロー
オープンウェブ・テクノロジー 代表取締役
Google API Expert(HTML5)、Microsoft Most Valuable Professional 2011 (IE)
HTML5開発者コミュニティ「html5j.org」管理人

趣味は読書、子どもたちと遊ぶこと。読書するエンジニアの会も月一開催中!

著書
「HTML5&API入門」(2010 日経BP社)
「Google Gearsスタートガイド」(2007 技術評論社)



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