ネットワン、新本社に新しい働き方の実践スペースを設置:自らベストプラクティスを模索
ネットワンシステムズは5月7日に丸の内に本社を移したが、この新オフィスに同社が提案するワークスタイル変革を実践するエリアを設置した。5月20日以降は、社外の見学者にも「Innovative Office 見学エリア」としてこれを見せ、ワークスタイル変革の実際の姿を実感してもらえるようにしていきたいという。
ネットワンシステムズは5月7日に丸の内に本社を移したが、この新オフィスに同社が提案するワークスタイル変革を実践するエリアを設置した。5月20日以降は、社外の見学者にも「Innovative Office 見学エリア」としてこれを見せ、ワークスタイル変革の実際の姿を実感してもらえるようにしていきたいという。
IT業界には、「自分のドッグフードを食べる」という表現がある。自らが提案・販売するものを、自らが率先して使うことを表わす言葉だ。ネットワンシステムズはこの2、3年、同社が提案し、構築するサーバ仮想化、データセンターネットワーキング、ユニファイドコミュニケーション、デスクトップ仮想化からワークスタイル変革といったテーマについて、自社で本格的に利用することを通じてノウハウやベストプラクティスを蓄積し、これを自社のビジネスに生かす取り組みを進めている。
ネットワンがいう「ワークスタイル変革」は、「いつでも、どこでも、誰でも、どんな情報端末でも、ICTを技術として意識することなく活用することで、生産性改善と社員のワークライフバランス双方を両立する働き方」。これは、他のテーマとはまったく次元の異なる話であり、このため、だれにとってもイメージがしにくい。
なぜなら、これは特定の技術や製品を導入することではない。推進する上で必要な技術や体制、社員の満足度、人事面での対応の必要性などを総合的に考えなければならず、投資対効果の測定にも適切な尺度が求められるからだ。
ネットワンが今回設置した「Innovative Office 見学エリア」は、丸ノ内・JPタワーにある新本社オフィスの1フロアの大半を占める。面積は1200平方メートルという。このエリアは自宅やカフェ、屋外、シアターなどを模したゾーンに分かれている。社員は自由にこれらのエリアで、実際に仕事をしている。
このエリアの目的の1つは、「見せるため」のデモではなく、実際の仕事をしている姿を見せることで、顧客にワークスタイル変革のイメージをより明確に抱いてもらうこと。もう1つの目的は、このエリアを活用して社員に積極的に(擬似的な)テレワークをしてもらうことを通じて、ワークスタイル変革に関するベストプラクティスを模索し、ROIに関するデータを収集することだ。各顧客におけるワークスタイル変革のROIをネットワンが明確に提示することは不可能だが、少なくとも同社におけるROIは詳細に提示できるという。
ネットワンはすでにワークスタイル変革に向けた取り組みを進めている。採用している製品はデスクトップ仮想化の「VMware Horizon View」、ビデオ会議製品「Cisco TelePresence」「Cisco Jabber Video」「Cisco WebEx」、プレゼンス管理ツール「Cisco Jabber」などだ。
新本社に勤める社員の大部分は自分の机を持たない。つまりフリーアドレス制だ。社員は出社すると、空いている共用の机を使うか、Innovative Office 見学エリアに来て仕事をする。従って、社外秘にかかわる会議などはできないものの、Innovative Office 見学エリアは本当に社員が仕事をしている場ということになる。
「テレワークは企業の成長につながる、では具体的にどうするか」でも取り上げたが、テレワークでは労働制および時間管理をどうするかが、大きな課題となる。ネットワンの場合、営業担当者は、客先への直行・直帰もできる。在宅勤務に関しては、現在のところ、その日に達成する仕事の内容を上司に申告して承認を得て行い、仕事を終えた後に成果を報告する形で運用している。労働制については、裁量労働制、みなし時間労働制の最適な適用形態を模索しているようだ。
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