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あらためて知っておくべき、バックアップ最新基礎知識業務で使えるバックアップの基礎知識(1)(1/3 ページ)

仮想環境など、より高次の環境が当たり前となった現在、バックアップ工程を検討する際にも従来とは比較にならないほど複雑な検討が必要になりつつあります。本連載では、バックアップの常識を入れ替える知識を紹介していきます。

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 ビッグデータ時代と呼ばれる昨今、業務環境はより高度なものとなり、バックアップに関する要件も厳密になっています。また、運用設計もより複雑になってきています。

 こうした今だからこそ、バックアップツールをより適切に選択する必要があるのではないでしょうか。

 この連載では、バックアップの新常識と題し、バックアップの基礎から最新のテクノロジ、仮想化環境を中心に、課題の多いバックアップの「今」をお伝えします。

 第1回では、基本に立ち返り、バックアップ運用の検討に際し、考え方の基礎を振り返っていきたいと思います。既にご存知の点も多く含まれるかと思いますが、ご容赦いただきたいと思います。

IT保守・管理者にとってのバックアップって何だろう?

 バックアップとはそもそも何でしょうか?

 バックアップと簡単に言っても、日常生活では、家のスペアキーであったり、交代要員であったりと幅広い意味を持っていますが、ITにおけるバックアップの概念は、というと……、

 ウイルス感染やハードウェア破損といった事態に備え、

  • データの写し(複製)を作り、保存すること
  • 別の記録媒体にコピーを保存すること

といった内容をおおむね指しています。

 不慮の事態に備え、日ごろ業務で使用している業務データの複製を、安全な場所に保存しておくことで、業務データが何らかの理由により消えてしまった場合などに対処できるというのが、ITにおける「バックアップ」の基本的な概念です。つまり、

業務データにある種の保険を掛けておく

ということです。

 このように、業務データの複製を作ることがバックアップの基本であり、その都度、手動でUSBメモリや外付けHDDにお手持ちのデータをコピーすることも、十分立派な「バックアップ」になり得ます。

 しかし、企業におけるバックアップとなると、もう少し話が複雑になってきます。

企業におけるバックアップの考え方はもう一歩先にある

 企業でバックアップを考える場合、ただデータの複製を媒体に保存することだけではなく、もう少し踏み込んで考える必要があります。

 業務の多くをITに依存する昨今、企業においては、業務に関わるデータが大きな価値を持ちます。これら業務データを多く取り扱う環境においてはデータ消失による影響が非常に大きいため、確実に保護されている必要があります。そして、もし障害が発生したとしても、慌てずに対処ができる仕組みを構築し、より安心して業務が進められるようなIT環境の構築・運用が求められます。

 従って、企業におけるバックアップは、より具体的に、ゴールを持って、計画的に行う必要があります。

「何のためのバックアップなのか」目的を考えるための3つのキーワード

 企業におけるバックアップを考える場合、最初に行うべきことは、バックアップのゴールを設定する、つまり「いったい何のためにバックアップを取るのか」ということです。

 バックアップを取ると一言にいっても、さまざまなバックアップ対象、用途、目的が考えられます。例えば、「ファイルサーバがダウンしてしまい、業務が継続できなくなったときのために、OS部分のバックアップを取っておく」「メールが万が一消失してしまうと円滑に業務が進められなくなるので、毎日バックアップしておく」などといったものです。

 このバックアップのゴールがはっきりしないと、バックアップデータはただの業務データの集まりになってしまい、いざというときに業務継続に必要なデータ復旧ができなくなってしまいます。

 バックアップのゴールを、より具体的に考えるためのキーワードとして、下記の3つの用語があります。

  • 「RPO」(Recovery Point Objective)
  • 「RTO」(Recovery Time Objective)
  • 「バックアップウィンドウ」

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