第3回 画面は「XAML」で作る(後編):連載:Windowsストア・アプリ開発入門(6/7 ページ)
前編ではWindowsストア・アプリ開発に必要な基礎知識を学んだ。今回の後編ではアプリのメインとなる画面などを作成する。
重複したスタイル指定をスタイル・リソースにまとめる
目次の表示はできたが、3つのListViewItemコントロールに全く同じスタイル指定を書いているのが気になる。この重複をなくせないだろうか?
それには、複数のスタイルを設定したStyleオブジェクト(Windows.UI.Xaml名前空間)をリソースとして別の場所に定義して、ListViewItemコントロールのStyle属性にセットしてやればよい。次のコードのように書ける。
<ListView Background="Transparent" Width="500">
<ListView.Resources>
<Style TargetType="ListViewItem" x:Key="IndexItemStyle1">
<Setter Property="FontSize" Value="30" />
<Setter Property="Background" Value="#88FFFFFF" />
<Setter Property="Margin" Value="0,0,0,10" />
<Setter Property="BorderThickness" Value="15,10" />
</Style>
</ListView.Resources>
<ListViewItem Content="Insider .NET フォーラム"
Style="{StaticResource IndexItemStyle1}" />
<ListViewItem Content="NEWS 最新記事一覧"
Style="{StaticResource IndexItemStyle1}" />
<ListViewItem Content="お気に入り"
Style="{StaticResource IndexItemStyle1}" />
</ListView>
前述したタイトルのText属性と同様に「XAMLマークアップ拡張」を使ってListViewItemコントロールのStyle属性を設定している。そのキーで識別されるリソースは、このListViewコントロールのResources属性に設定されているStyleオブジェクトである。
なお、Styleオブジェクトには、キー(=「x:Key」属性)のほかに、TargetType属性も必須だ。この例の「TargetType="ListViewItem"」は、このスタイル・リソースがListViewItemコントロールに適用されるものであることを示している。
タイトルのText属性で使ったリソースは別ファイル(「App.xaml」ファイル)に定義されていた。上の例では、同じコントロールの中に定義されている。このように、リソースはいろいろな場所で定義できる。違いは、リソースを利用できるスコープだ。「App.xaml」ファイルに定義したリソースは、アプリ内のどこからでも使える。上の例では、定義したListViewコントロールの中でしか使えない。
アプリの説明を追加する
目次の下端には、アプリの説明文を追加する(次のコード)。
<Grid>
……省略……
<!-- ここに目次を作り込む -->
<ListView Background="Transparent" Width="500">
……省略……
</ListView>
<!-- 説明 -->
<Border Grid.Row="1" Background="#88FFFFFF" Width="500" Padding="10,5">
<RichTextBlock FontSize="15">
<Paragraph FontWeight="Bold">@ITのRSSフィードを読むツールです。</Paragraph>
<Paragraph>記事タイトルのタイルをタップすると、記事が読めます。
<LineBreak />記事タイトルの上のセクション・ヘッダをタップすると、そのセクションの記事リストに切り替わります。
<LineBreak />「お気に入り」に登録するには、記事タイトルのタイルを長押し(右クリック)します。
</Paragraph>
<Paragraph FontSize="12" Margin="0,10" TextAlignment="Right">Copyright © 2013 BluewaterSoft
</Paragraph>
</RichTextBlock>
</Border>
</Grid>
RichTextBlockコントロールには背景色を付けられないので、背景色を付けたBorderコントロールの中に入れた。Borderコントロールの属性「Grid.Row="1"」は、親のGridコントロールの2行目に配置する指定。
説明文には、上のコードのようにRichTextBlockコントロールを使った。TextBlockコントロールより多彩な表現ができる。
フィード・セクションとお気に入りセクションを作る
目次セクションと同様にして、フィード・セクションとお気に入りセクションを作っていこう。目次セクションに続く<HubSection>要素は全て削除してしまって、次のコードに置き換える(削除するとき、<Hub>要素の閉じタグまで誤って消してしまわないように注意)。
目次とは違って、1つのタイルの中に記事のタイトルと日付という2つのものを表示したいので、ListViewItemコントロールのコンテンツとしてStackPanelコントロールを置き、その中に2つのTextBlockコントロールを配置した。
……省略(目次セクション)……
</HubSection>
<HubSection Padding="0,35,80,68" IsHeaderInteractive="True">
<HubSection.Header>
<TextBlock Text="Insider .NET フォーラム"/>
</HubSection.Header>
<DataTemplate>
<ListView Width="500">
<!-- このListViewItemは、第5回でテンプレートに置き換える -->
<ListViewItem Background="DodgerBlue"
Margin="0,0,0,10" BorderThickness="15,10">
<StackPanel>
<TextBlock Foreground="White" FontSize="24" TextWrapping="Wrap">記事タイトルその1 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・</TextBlock>
<TextBlock Foreground="White" FontSize="12">20XX/XX/XX</TextBlock>
</StackPanel>
</ListViewItem>
……省略(複数のListViewItem)……
</ListView>
</DataTemplate>
</HubSection>
<HubSection Padding="0,35,80,68" IsHeaderInteractive="True" >
<HubSection.Header>
<TextBlock Text="NEWS 最新記事一覧"/>
</HubSection.Header>
……省略(2つめのフィード・セクションの<DataTemplate>要素)……
</HubSection>
<HubSection Padding="0,35,80,68" IsHeaderInteractive="True" >
<HubSection.Header>
<TextBlock Text="お気に入り"/>
</HubSection.Header>
……省略……
<ListViewItem Background="BlueViolet"
Margin="0,0,0,10" BorderThickness="15,10">
……省略(背景色が違う以外、フィード・セクションと同じ)……
</HubSection>
</Hub>
HubSectionの開始タグで特徴的なのは、目次セクションにはなかった属性「IsHeaderInteractive="True"」だ。この指定があると、HubSection.Headerに指定した要素がタップできる外見(=右側に「>」印が付く)になる。
ここでは、スタイル定義だけでなく、コンテンツの定義(StackPanelコントロールとその中のTextBlockコントロール)も重複している。それを解決するには「データ・テンプレート」を使う(第5回で説明予定)。
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