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思考の癖を把握して効果的に評価する(後編)ITエンジニアのチームリーダーシップ実践講座(7)(2/4 ページ)

用語の定義にこだわる人は正確な事実を知りたがり、設計書の目次に注目する人はコンセプトを大切にする―― メンバーの思考の癖を把握して、効果的に評価する方法を伝授しよう

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 Xさんの思考の癖を診断してみましょう。

 質問の【1】〜【5】は以下のルールで分類集計してください。

「○」を付けた(1)の個数をAへ加算

「○」を付けた(2)の個数をBへ加算

「○」を付けた(3)の個数をCへ加算

「○」を付けた(4)の個数をDへ加算


 質問【6】〜【10】は以下のルールで分類集計してください。

「○」を付けた(1)の個数をCへ加算

「○」を付けた(2)の個数をDへ加算

「○」を付けた(3)の個数をAへ加算

「○」を付けた(4)の個数をBへ加算


 最後にA、B、C、Dの個数を合計して、円にプロットしてください。

A__個

B__個

C__個

D__個


 第5回で作成したあなたのチャートとXさんのチャートの形が近ければ、あなたが好ましいと思うやり方が、そのままXさんにとっても好ましいやり方であることが多いはずです。しかし両者のチャートの形が似ていない場合は、あなたにとっての分かりやすさが、Xさんにとっては分かりにくい表現になっている可能性があります。

HBDIによるタイプ分けの利用例

 一般に、Aのスコアが際立っている人は「What」にこだわりを持ち、Bのスコアが際立っている人は「How」に、Cのスコアが際立っている人は「Who」に、Dのスコアが際立っている人は「Why」にこだわる傾向があります。

 例えば何かの説明を受ける際、Aタイプの人は「正確な事実」を要求する傾向が強く、推測に基づく話を説明の中にはさむと分かりにくく感じてしまいます。

 一方、Bタイプの人は「具体的にどうやるか」を要求する傾向が強く、詳細が未定な状態で説明すると混乱してしまう傾向にあります。

 Cタイプの人は、その仕事に「誰が」関係するのかを知りたがります。

 Dタイプの人は、まず「コンセプト」を十分に伝えてから次のステップの説明に入らないと、腑に落ちないまま、気もそぞろな状態になります。

 具体的には、Aタイプの人は、次の要素を重要視します。

  • データおよび事実に基づいた図表
  • 簡潔、明確、正確な情報
  • 目標と目的に合致したプレゼンテーション
  • 技術的正確さ
  • 直接的でポイントをついた資料

 私情や比喩、経緯などをはさまず、単刀直入に切り込んでいく方が、分かりやすいと感じるはずです。また、詳細なデータを渡されると、他のタイプの人は「面倒だ」と引くかもしれませんが、データ分析が好きなAタイプの人は、きっと食いついてくるはずです。

 Bタイプの人は、次の要素を重要視します。

  • 書面で示された予定、および行動計画
  • この先起きることに関する説明
  • 一貫性
  • 決められた手順
  • 前例を示す

 スケジュールやコスト管理を重点的に話すと、高い使命感を持って、まっしぐらに責任を果たしてくれることでしょう。

 Cタイプの人は、次の要素を重要視します。

  • ニーズに対する共感と配慮
  • フィーリング/個人的な付き合いや形式張らない対応
  • 全ての人への平等な配慮
  • 他人を巻き込む

 感情を大切にする人なので、リーダーがこの仕事で相手に期待することを、気持ちを含めて伝えると、しっかりと受け止めてくれるでしょう。また、相手の能力を信頼していることを一言伝えるだけで、リアクションは大きく変わるはずです。

 Dタイプの人は、次の要素を重要視します。

  • アイデア
  • コンセプトの枠組みを示すこと
  • イメージ図、または例示
  • 自主的な作業
  • 全体像、長期目標の把握

 1つ1つの仕事を単独の仕事と位置付けるのではなく、プロジェクト全体のどの部分の仕事なのか、完成したらユーザーが日常業務のどの部分としてそれを稼働させるのか、全体の流れや相対的な位置付けを話してあげると、満足感も高まります。また、相手のキャリアの中で、その仕事がどんな意味を持つのかを添えることも、興味を引き出す要因になるでしょう。

 AとBの複合型なら、上記AとB両方の要素を説明すると、あなたの指示をきちんと理解してくれるはずです。

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