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人間の仕組みを理解して作るインターフェース――コンピュータで人間はラジコン化できる錯覚とインターフェースの可能性(3)(1/2 ページ)

ユーザー参加型の学会として発足し、毎回数万人規模の視聴者を集める「ニコニコ学会β」。本稿では第5回シンポジウムのハイライトとなった人間の感覚に注目したセッションを紹介する。

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人間の仕組みを理解して作る 前田太郎氏(大阪大学大学院教授)

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錯覚とインターフェースの可能性


 第1回第2回と続けて「研究100連発」の内容を紹介してきた。最後の登壇者は前田太郎氏(大阪大学大学院情報科学研究科 教授)だ。前田氏は人間を機械のように動かす研究を紹介した。

 セッションでは、いきなり司会の稲見氏が頭部に付けた電極で人間をラジコンで動かす、という研究内容を紹介。


人間をラジコンで動かしてしまう「人間ラジコン」

「SFヲタク」「厨二病」と自ら語る前田先生は、SF的な研究と次々発表(撮影:石澤ヨージ)

 第1声から「人間と機械をつなげる研究をしている」で始まる前田先生の発表は、100連発の締めくくりにふさわしい未来的な発表となった。

 最初に紹介されたのが、人間にぴったりくっついて人間の体験を共有し、ライフログを蓄積するロボット「パラサイト・ヒューマン」。ライフログを蓄積するだけではなく、“宿主”の人間を刺激することで障害物を避けさせるなどの行動を可能にする。


錯覚を利用して、人間をクルマから避けさせる!

 ロボット同士で感覚を共有できるのであれば、人間との感覚を共有することもできる。人間同士で視覚/触覚を共有し、例えばプロの医者の感覚をもらうことで、応急処置をしてもらうことができる。


医者の感覚をつないで、応急処置をコピー

 この遠隔医療のアイデアはSF「華竜の宮」に採用され、もともと研究を志したきっかけがSFだった前田先生の自慢の種であるようだ。

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