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Windows Server 2003からの移行前にやっておくべきこと今から始めるWindows Server 2003移行のススメ(1)(2/2 ページ)

「2015年7月15日」にサポートが終了するWindows Server 2003。本連載では、現在稼働中のWindows Server 2003から、Windows Server 2012 R2への移行ポイントと手順を解説する。

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Active Directoryドメインの移行方法の確認

 Windows Server 2003のドメインコントローラーをWindows Server 2012 R2へ直接アップグレードする「インプレースアップグレード」はサポートされていない。従って、Windows Server 2003ドメインコントローラーで構成されたActive Directoryは、次の方法でWindows Server 2012 R2に移行する(表3)。

・Active Directoryドメインをアップグレードする

・Active Directoryドメインを再編し、オブジェクトを移行する

表3
表3 Active Directoryドメインの2つの移行方法(クリックで拡大)

 どちらの移行方法を選択するかは、現在のドメインをそのまま使用する必要があるか、そうでないかで判断する。現在のドメインをそのまま使用してアップグレードする場合は「ドメインアップグレード」の方法となる。そうではなく、現在のドメインと異なるドメインを作成し、ユーザーやグループを移行する場合は「ドメインの統合や再構築」を行う必要がある。

 移行方法として、容易なのは「ドメインアップグレード」になる。「ドメインアップグレード」であれば、利用者側(ユーザー)にはアップグレードをほとんど意識させないので、移行の負担を最小限に抑えることができる。

 一方の「ドメインの統合や再構築」を行う例としては、現在のドメイン環境がビジネスニーズに合っていないといった理由が挙げられる。例えば、今までは各部署で予算を確保して、それぞれでドメイン(フォレスト)を立ち上げていたが、今後は企業内で1つのドメインに統合するといったシナリオがあるだろう。

 そうしたシナリオでは、「ドメインの統合や再構築」で移行することになるが、ドメイン名などの設定情報が変更になるため、連携している各種システムへの影響も大きくなる。また、ユーザーは新しいドメインへログオンすることになり、ドメインへの再参加も必要になるため、ユーザーへの負担も少なからず出てくる。当然、ユーザープロファイルも再作成となるため、ユーザーの移行に関しても考慮する必要があるだろう。

Windows Server/Active Directoryの機能の把握

 Windows Serverのバージョンアップに伴い、Active Directoryの機能も拡張されてきている。ここで、それぞれのWindows Serverで追加された機能を把握しておく。Windows Server 2012 R2のドメインコントローラーを導入することにより、Windows Server 2003では使用できなかった多くの機能が追加されているので、あらかじめその概要を確認しておき、Active Directoryの移行スケジュールに組み込んでおくのがよいだろう。

 Windows Server 2003/2003 R2の後継サーバーOSとなるWindows Server 2008からWindows Server 2012 R2までは、次のように複数のバージョンが存在する。主な機能を紹介しておこう(表4)。

表4
表4 Windows Server 2008〜Windows Server 2012 R2の主な機能(クリックで拡大)

 以上のように、Windows Server 2003/2003 R2以降のWindows Serverでは多くの機能が追加されているので、それらを使用するかどうかの検討も必要になるだろう。今回は移行前に行うべき内容を大まかにお伝えしたが、次回は実際にどのようにして移行すればよいか、具体的な手順を解説する。

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筆者紹介

阿部 直樹(あべ なおき)

エディフィストラーニング株式会社所属のマイクロソフト認定トレーナー。Active Directory、Network、Security、Hyper-V、Clusterなどを担当。マイクロソフト トレーナー アワード(2010年)およびMicrosoft MVP for Hyper-V(Apr 2010 - Mar 2014)を受賞。個人ブログ『MCTの憂鬱』でマイクロソフト関連情報を発信中。


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