全ての開発者が押さえておくべきマイクロソフトの最新技術動向:特集:Build 2015(4/5 ページ)
2015年夏に予定されているWindows 10/Visual Studio 2015のリリースとともに、マイクロソフトはどこに向かうのか。その最新動向をキャッチアップしよう!
新しいデバイス向けの開発
HoloLens
「HoloLens」はヘッドマウント型のWindows 10デバイスであり、現実世界に映像が存在するかのように見せる。通常のアプリは、空中(あるいは壁面上など)に固定された仮想のスクリーンに映されているように見え、専用のアプリを作れば立体だけが空中に存在するように見せることもできる(次の画像)。HoloLensのプロトタイプはWindows 10の発表時(2015年1月)に披露されていた。Build 2015でSDKなどが明らかにされるのではと期待されたが、残念ながらそれはなかった。ストアアプリの開発経験があれば、HoloLens専用アプリの開発も難しくないとされている。
HoloLens
上: 通常のアプリを使っている様子。スタート画面のようなパネルやアプリのウィンドウが空中に固定されているように見える。ジェスチャー/音声/視線入力で操作するという(セッション2-744「Case Studies of HoloLens App Development」のスライドより)。
下: Build 2015、1日目のキーノート動画より。HoloLens専用のアプリでは、オブジェクトだけを空中に表示できる。ここではカラフルなボタンなどが空中に表示されているのが見える。車輪で移動するロボットのようなものは、よく見ると車輪部分とロボットの上半身がつながっていない。車輪部分は現実だが、ロボットの上半身はHoloLensが見せている仮想なのである。車輪部分の移動を画像解析で認識してロボットの動きを合わせているようだ(車輪部分に付いている赤と緑のLEDは画像解析を簡易にするためだと想像される)。まるで「電脳コイル」の世界である。
IoT/ウェアラブル
上のHoloLensの動画に出てくるロボットの車輪部分は、ボードコンピューターで制御されている。それはWindows 10 IoT Coreを搭載した「Raspberry Pi 2」である。
Build 2015では、Windows 10 IoT Coreのプレビュー版がリリースされた(次の画像)。ボードコンピューターとはいえ、ユニバーサルWindowsプラットフォームの一員である。UI部分を含めてユニバーサルアプリの共通APIが使えるのだ。GPIOや232C、豊富なセンサーAPIもストアアプリから利用できる(「徹底予習! Windows 10のユニバーサルアプリ開発」参照)。
また、「iOS、Android、Linuxなどのアプリ開発」の項でも紹介したが、ウェアラブルコンピューターApple Watch/Wear Appのアプリ開発も可能になっている。これに関連してBuild 2015では、「Microsoft Band」のSDKが正式リリースされた(WindowsだけでなくAndroid/iOSにも対応)。
なお、Windows 10 IoT Coreの概要とアプリケーション開発方法のセッションがde:code 2015で予定されている。
Windows 10 IoT
上: Windows IoTのWebサイト。ここから、ボードコンピューターごとのWindows 10 IoT Core(プレビュー版)を入手できる。それぞれのボードをクリックすると、ボードごとの導入方法を説明したページが表示される。導入には、マイクロSDカードに書き込みができるWindows 10(ビルド10074以降)の環境が必要だ。
本稿執筆時点で掲載されているボードコンピューターは、次の5機種である。Raspberry Pi 2/MinnowBoard Max/Galileo/Windows Remote Arduino/Windows Virtual Shields for Arduino
下: Build 2015のセッション2-652「Internet of Things Overview」の資料より。Windows 10 IoTのエディションには、IoT Core(今回のプレビュー版)/IoT for mobile devices(phone相当)/IoT for industory devices(PC相当)の3種類がある。
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