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UnityでテクスチャにレンダリングできるRender Textureとオブジェクトに反射光を当てるGlobal Illumination、Light ProbeUnity 5で無料になった機能の使い方(4)(4/4 ページ)

ゲーム開発環境Unity 5の「Personal Edition」では、Unity 4.6以前では有料だった機能が無料で使えるようになった。本連載では、Unity 5で無料になった機能の使い方について解説していく。今回は、テクスチャにレンダリングできるRender Textureとオブジェクトに反射光を当てるGlobal Illumination、Light Probeの使い方について解説する。

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オブジェクトのStaticにチェックを入れる

 オブジェクトのStaticにチェックを入れると、自動的に反射光が設定される。「Scene」上に配置した「Cube」「Plane」「Plane 1」の「Inspector」から、「Static」にチェックを付ける(図20)。


図20 「Cube」の「Static」にチェックが入った

 図20で「Plane」「Plane 1」にも「Static」にチェックを入れると、後ろの「Cube(壁)」に「Plane(床)」の色が反射して映る(図21)。この反射光は、「Directional Light」の「Inspector」内の「Bounce Intensity」の値の設定で強弱が決まる。「1」の値が一番適しているだろう。

 この反射光は「Static」を付けていない動的なオブジェクトには反映されない。よって、「Robot Kyle」の「Static」にチェックを付けても、これは静的なオブジェクトではないので、反射光は当たらない。


図21 「Cube(壁)」に反射光が当たっている

 次に、「Hierarchy」の「Main Camera」を調整して、正面から画面が「Camera Preview」内に映るように設定する。この設定には「トランスフォームツール」の「回転ツール」や「移動ツール」を使用する必要がある。

 実行すると、動画6のようになる。

動画6

 赤い床から、青い床に「Robot Kyle」が移動すると、「Robot Kyle」の身体の色が、床の色に同調して、少し変わっているようには見えるのだが、それは目の錯覚だ。動的なオブジェクトに反射光を設定する方法は別にあるのだ。

動的なオブジェクトに反射光を設定するLight Probe

 動的なオブジェクト、この場合は「Robot Kyle」に反射光を設定するには、どうすればいいのだろうか。その方法を最後に解説しよう。

 まず、「Hierarchy」から「Robot Kyle」を選択し、メニューの「Component」→「Rendering」→「Light Probe Group」と選択する(図22)。


図22 「Light Probe Group」を選択する

 すると「Robot Kyle」の「Inspector」に「Light Probe Group」が追加される(図23)。


図23 「Light Probe Group」が追加された

 「Add Probe」ボタンをクリックして「Light Probe」を追加する(図24)。


図24 「Robot Kyle」に「Light Probe」が追加された

GI&Light Probeサンプルの実行結果

 では、これで動かしてみよう。

動画7

 動画6と見比べてほしい。動画7の方が、床の反射光が微かに「Robot Kyle」に当たっているのが分かるだろうか。

次回は、いろいろな画面処理効果を付けられるImage Effect

 今回は、これで終わりだ。「Render Texture」を使用すると、コンサートなどで使用される、「大画面にミュージシャンを投影させて、遠くの観客に見えるようにする」といったような処理が実現できる。読者の皆さんのいろいろな発想で、ぜひ独創性のある作品を作っていただきたい。

 次回は、いろいろな画面処理効果を付けられるImage Effectを取り上げるので、お楽しみに。

著者紹介

薬師寺 国安(やくしじ くにやす) / 薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basicプログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。

1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。

1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット「PROJECT KySS」を結成。

2003年よりフリーになり、PROJECT KySSの活動に本格的に参加。.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。

Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindowsストアアプリを多数公開中。

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。

Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。

Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。

Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。

主な著書

Unity4.x アセット活用術: Asset Storeから落としたAssetを自分の作品の中で使用する方法』(Kindleストア)

Unity4.xプログラミングTips集: Asset StoreからインポートしたAssetの使い方を徹底解説』(Kindleストア)

Unity Scriptの基本+Unity Script Tisp集』(Kindleストア)

Unity初めの一歩: 超初心者のためのUnity入門』(Kindleストア)

Unity4.x入門+プログラミングTips集: 初心者から中級者対応。Assetの使い方を徹底解説』(Kindleストア)


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