失敗は恐れるものではない。学び、経験し、共有するものだ:Go AbekawaのGo Global!〜Maverick Shih編(3/4 ページ)
グローバルを股に掛けたキャリアを築いてきたIT業界の先輩にお話を伺うシリーズ。今回は台湾を代表するIT企業Acerで、BYOC部門を統括するMaverick Shih氏に、IoTの可能性や、アジアの島国からグローバルに打って出るときに必要なマインドを伺った。
アジアの島国から世界を目指すべき理由
阿部川 BYOCグループで社長を勤めているシーさんに伺います。「社長の役割」とはどんなことだとお考えですか?
シー氏 (長い沈黙があって)とてもいい質問だと思います。ちょっと考え込んでしまいました(笑)。
社長の第一の役割は、ナビゲーターです。BYOCグループの社員たちは大きな方向性は分かっていますし、社会にはさまざまなビジネスチャンスが存在することも分かっています。その中にあって、「どのようなビジネスモデルを構築すれば、達成したい目標に到達できるか」「どのようにすれば成長し続けるビジネスモデルを描けるか」についてナビゲーションをするのが社長の役割です。
第二は、さまざまな能力を持った人材を適材適所に配置することです。ビジョンを分かち合い、チームに浸透させていける人材を採用し、彼らが成長できるようなフィールドを提供することです。
第三は多くの機会を与えることです。台湾は小さな国なので、クラウドやIoTのビジネス市場を国内だけに限定してしまうと、市場も小さくなります。ですから、視野を広く持ち、より多くのビジネスの機会を台湾で働くエンジニアに与えることが重要なのです。
阿部川 シーさんはビジネスのターゲットをグローバルに広げるだけではなく、人がグローバルな視点を持つことを推奨していますね。
シー氏 もちろんです。私たちの最大のチャレンジは、日本同様に「島国である」ということです。隣国が地続きのヨーロッパなどに比べると外国との行き来が簡単ではないからこそ、外に出ていくこと、自分たちとは違うさまざまな国で学ぶことが、とても大切なのです。
米国は市場が広大かつ技術水準が高いので、高水準な事例が数多く存在します。それに対し台湾は人口約2300万人ですから、国内の事例が必ずしも世界で通用するとは限りません。ですから、サービスであれ、人であれ、世界の他の地域を念頭に置くことが大切なのです。
関連記事
- どれがいいの? 8インチWindowsタブレット
手ごろな価格で既存のWindows資産を活用できる8インチWindowsタブレットPC。新入生・新社会人の手軽なファーストPCとして、持ち運び用のセカンドPCとして使うための8インチWindowsタブレットの選び方を解説する - Go AbekawaのGo Global!〜Jim Sullivan編:エンジニアが良いキャリアを築くために必要なのは「革新性」「人脈」「起業家意識」
グローバルを股に掛けたキャリアを築いてきたIT業界の先輩にお話を伺うシリーズ。今回はIT企業を4社立ち上げた経験を持つActifioのJim Sullivan氏に、マネジメントに必要なポイントや、エンジニアが良いキャリアを築くためのアドバイスを伺った - Go AbekawaのGo Global!〜MarkLogic編(後):テクノロジでより良い未来を作るためには変化を恐れずじっくりと準備――日本で働く米国人ワーキングマザー経営者の格闘記
エンタープライズ NoSQLを提供する「MarkLogic」の日本支社長、三浦デニース氏へのインタビュー。後編は、夫婦とは何か、ワーキングマザーへのアドバイスなど、三浦氏のキャリア(人生)に焦点を当てて、話を伺った - Go AbekawaのGo Global!〜TechTarget編(後):人は幾つまでチャレンジできるか? 45歳だろうが、75歳だろうが、それが必要であれば「いつでも」だ
「TechTarget」APAC(アジア太平洋地域)統括ヴァイスプレジデントのJon Panker氏に、テレビリポーターからキャリアチェンジしたご自身の経歴を踏まえて、職業選択とチャレンジについて話してもらった - Go AbekawaのGo Global!〜Udacity編(前):ドミノピザにあって、ピザハットにないものとは?
ビジネスマンが生涯学び続けるためにテクノロジは何ができるか――オンライン講座の雄「Udacity」のVP、クラリッサ・シェン氏に話を聞いた - Go AbekawaのGo Global!〜Udacity編(後):何が素晴らしいって、仕事欄に「Web開発者」と書けたことだよ!
全ての意欲がある人に学ぶ機会を与えたい――オンライン講座サービス「Udacity」の目指す教育とは何か。女性副社長インタビュー第2段 - 元MSエバンジェリストが問う「グローバル」とは「海外で働く」とは
単身ベトナムに移住し、法人立ち上げ、現地エンジニア採用などに携わっているエンジニアの姿を通じて「グローバル」な働き方のノウハウや心構えなどをリポートする本連載。初回は「そもそもグローバルとは何か」「グローバルに打って出るための第0歩」を読者と共に考えます - 年収2500万円以上も夢じゃない? インドネシアでエンジニアとして働くという選択
成長著しいインドネシアでは、システム開発の需要が増え日本人エンジニアの人気が高まっているという。インドネシアで働くために必要な能力、そして気になる年収は?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.