検索
連載

サイバー攻撃から日本を守るのは、プロフェッショナルなトップガンセキュリティクラスター まとめのまとめ 2015年9月版(3/3 ページ)

2015年9月には、テレビ番組にあのプロフェッショナルが登場し、セキュリティクラスター内外の反響を呼びました。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

「パスワードは別のメールで送ります」ってやり方どうなの?

 日本の多くの会社で、ファイルをやりとりする際に、パスワード付き圧縮したファイルをメールに添付して送った後、別メールで解凍パスワードを伝えるという方法がとられています。おそらく、多くの人がこのやりとりを業務の中で経験したことがあるのではないでしょうか。

 この慣習について書いた@ogawad_jpさんの記事がきっかけとなり、たくさんの意見がツイートされました。

 中でも多く見られたのは、送り先を続けて間違えたり、通信を盗聴されたりしていた場合には、メールを2通に分けても意味はないという意見や、暗号化された添付ファイルに短いパスワードが設定されていた場合には、簡単に解析されてしまうといった否定的な意見でした。

 また、会社でこのような運用をしているユーザーからは、「本当はあまり乗り気ではないけれど、社内規定として決まっている」「Pマークの認定を受けるためにはやらざるを得ない」「外部ストレージの使用が禁止されているから、このやり方しかない」など、会社に逆らえない社会人としての悲哀を感じさせるものも多くありました。

 さらに他にも、「オフラインで共通パスワードを決めておけばいい」「ファイルの重要度に応じて受け渡し方法を変えた方がいいのではないか」といった提言がありました。

 また、暗号化された添付ファイルはサーバー側で中身を見ることができないため、セキュリティ対策をすり抜ける可能性が高く、結果として標的型攻撃につながるリスクがあることから、この受け渡し方法はやめた方がよいとする意見もありました。

 ちなみに、欧米では全く使われないという意見に関しては、海外で仕事されている人からの反論も見られましたので、一概に日本だけの慣習ともいえないようです。


 この他にも、2015年9月のセキュリティクラスターは以下のような話題で盛り上がっていました。10月はどのようなことが起きるのでしょうね。

  • 米国のサイバー情報輸出規制で日本のセキュリティ業界に大打撃?
  • 「ベルメゾン」の千趣会子会社が不正アクセスを受け、13万人の個人情報が流出
  • Xcodeを改ざんした「XcodeGhost」でコンパイルした多数のiPhoneアプリに、マルウエアが埋め込まれる
  • マイナンバーカードに「媒体識別番号」を組み込むって大丈夫なの?
  • IPA、届出から1年以上開発者と連絡がとれない製品の脆弱性情報公開を開始
  • Torを使っていたが、児童ポルノ投稿で逮捕
  • 脆弱性診断に必要なのはコミュ力と倫理観?
  • LenovoのPCにまたスパイウエアがインストールされていた?
  • 米シスコシステムズのルーターにバックドアが仕込まれていることが発覚
「セキュリティクラスター まとめのまとめ」バックナンバー

著者プロフィール

山本洋介山

bogus.jp

猫と一緒に自宅の警備をする傍ら、「twitterセキュリティネタまとめ」というブログを日々更新しているtwitterウォッチャー。セキュリティやネットワークに関する原稿も書いています。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       

Security & Trust 記事ランキング

  1. よく聞く「複雑化するサイバー攻撃」は具体的にどう複雑なのか? 一例を医療系企業のランサム事例とともに解説
  2. 「SMSは認証に使わないで」 米CISA、モバイル通信を保護する8つのベストプラクティスを公開
  3. 終わらせましょう。複雑過ぎるKubernetes/クラウドネイティブが生む心理的安全性の低下を――無料でクラウドセキュリティの勘所が分かる130ページの電子書籍
  4. 3割程度のSaaS事業者が標準的なセキュリティ対策をしていない アシュアードがSaaS事業者を調査
  5. 増える標的型ランサムウェア被害、現場支援から見えてきた実態と、脆弱性対応が「限界」の理由
  6. AWS、組織のセキュリティインシデント対応を支援する「AWS Security Incident Response」を発表 アラートに圧倒されるセキュリティチームをどう支援?
  7. 「このままゼロトラストへ進んでいいの?」と迷う企業やこれから入門する企業も必見、ゼロトラストの本質、始め方/進め方が分かる無料の電子書籍
  8. ChatGPTやClaudeのAPIアクセスをかたってマルウェアを配布するPython用パッケージ確認 Kasperskyが注意喚起
  9. 「生成AIのサイバー攻撃への悪用」は増加する? 徳丸浩氏が予測する2025年のセキュリティ
  10. Google、「パスキー」のアップデートを発表 新たに導入された「パスワードマネジャーPIN」とは?
ページトップに戻る