XSSに盗聴疑惑にチート摘発――ネットでは今月も、印象に残るさまざまな騒動が起きました。
2014年6月は、Twitterアプリに関連した脆弱性が見つかり、大きな話題となりました。連携アプリを認証することによって勝手にツイートされるということが話題になることはありますが、脆弱性が悪用されたリツイートでタイムラインが埋まることは久しぶりのことで、昔を思い出した人も多かったと思います。
そして、メッセンジャーアプリの「LINE」でやりとりされたデータが第三者の手に渡っているのではないかということも話題となりました。この真偽とともに、暗号化されているためのぞき見できないということになっているメッセージデータがどのようにして盗聴されているのかということも議論の対象になりました。LINEは乗っ取りも頻発しており、サイトの乗っ取りと同様に話題となることが多かったです。
そして月末には、「チート行為」でいよいよ逮捕者が出てしまいました。
XSS脆弱性は、アラートがポップアップするだけのデモが行われることがほとんどで、大したことのない脆弱性だと思っている人も多いかもしれません。しかしTwitterにおいては過去にもXSSによる攻撃が行われ、大きな話題になったことがありました。Twitterではリツイートで大きく拡散するため、一度の攻撃ツイートが広範囲に広がり、大きな影響を及ぼします。
そして6月10日には、使っている人も多いTwitterクライアント「TweetDeck」にXSS脆弱性が見つかり、それを悪用したツイートによって、画面にアラートがポップアップされるとともに強制的にリツイートが行われ、世界中で大きな話題となりました。
これは攻撃コードが書かれたツイートを見た人がTweetDeckを使っていた場合、強制的にリツイートしてしまうというものでした。この攻撃は世界中に広がっていき、もちろん日本でもたくさんの人が、思ってもいないリツイートを行ってしまっていました。
このXSS脆弱性は攻撃が見つかってからすぐに対応が行われ、いったんログアウトしてログインし直すことで、自分が攻撃ツイートを読み込んだとしてもリツイートすることはないようになりましたが、長い時間リツイートがTLを荒らすことになりました。
このXSS脆弱性なのですが、絵文字を使ったツイートにXSSの攻撃コードを含めてツイートを行うと、なぜかXSSによる攻撃が行われてしまうという珍しいものでした。セキュリティクラスターではその内容に興味を持った人が多かったようでした。
以前のmixiにおける「はまちちゃん事件」や、WassrというTwitterに似たサービスであった絵文字によるサービス停止などを思い出した人も多かったようでした。またLINEで行われている絵文字を使った攻撃に言及しているツイートもありました。
「マウスオーバーの」問題についての全容
https://blog.twitter.com/ja/2010/mausuobano-wen-ti-nituitenoquan-rong
Security&Trust ウォッチ(33)「ぼくはまちちゃん」――知られざるCSRF攻撃
http://www.atmarkit.co.jp/fsecurity/column/ueno/33.html
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