2015年11月はAnonymousによるISへの「攻撃宣言」が大きな話題となりました。そして、「ハッカー」の呼称に関する議論がまたしても……。
2015年11月のセキュリティクラスターでは、長きにわたり日本のWebサイトなどを攻撃してきた「Anonymous(アノニマス)」が、イスラム過激派組織ISに対してサイバー攻撃を行うと宣言し、話題になりました。ところが、この攻撃は結局、相手方に大きな影響を与えるには至りませんでした。引き続き、日本のWebサイトへの攻撃も続いています。
また、最近メディア報道などで見かけるようになった「ホワイトハッカー」や「善玉ハッカー」という言葉が議論の対象になりました。「ハッカー」「クラッカー」などの語の使用をめぐっては、これまでも度々議論が行われてきています。どうもこだわりのある人が多いようです。
さらに、多くのWebサイトで使用されているミドルウエアに組み込まれているJavaライブラリに、大きな脆弱(ぜいじゃく)性が見つかり、原因や対策をめぐって盛んに意見が交換されました。
2015年11月13日、AnonymousがISに対してサイバー攻撃を仕掛けるという宣言を行います。
Anonymousは、手始めにIS関係者と思しきtwitterアカウントを攻撃していたようで、Twitter自体がDDoS攻撃を受けたように重くなってしまいました。このことへの不満の声もありましたが、全体としては、Anonymousを支持する内容のツイートが多かった印象です。
ただ、この攻撃がISに対して大きな影響を与えたかというと、そうでもなかったようです。結局は、いくつかのIS関連のTwitterアカウントが閉鎖された程度にとどまりました。また、ISとは無関係なアカウントが閉鎖されてしまうという被害もあったようです。
一方、Anonymousによる和歌山県太地(たいじ)町のイルカ漁に抗議するオペレーション「OpKillingBay」は引き続き実施されており、日本のWebサイトへの攻撃も続いています。
11月21日には、厚生労働省がAnonymousの攻撃を受け、Webサイトを閉鎖しました。この厚生労働省の対応に対しては、攻撃者に屈してサイトを閉鎖するのは望ましくないという意見がありました。
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