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日本オラクル「Oracle Sales Cloud」最新版で何が変わるのか「デジタル時代」の営業活動を支援(1/2 ページ)

日本オラクルが、SaaS型クラウドサービス「Oracle Sales Cloud」の最新版を発表。国内企業の迅速な海外ビジネス強化の支援を主目的に、国内外ビジネスの商習慣を踏まえた機能を拡充する。

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photo 「日本企業の国際競争力向上のためには、“営業をITで強くする”ことが必要」と、Oracle Sales Cloudの意図を説明する日本オラクル 専務執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括の下垣典弘氏

 日本オラクルは2015年10月13日、個客管理と営業支援を行うSaaS(Software as a Service)型クラウドサービス「Oracle Sales Cloud」の最新版を発表。同日より提供を開始した。

 Oracle Sales Cloudの最新版は、「ハイテク・製造」「金融」「消費財」「通信」の4つの業界・業種における「業界別テンプレート」を用意すると共に、営業予測の精度を向上させた「アナリティクス機能」と国内の商習慣で需要が高い「販売代理店管理機能」を備えた。また、また、各国の商習慣を踏まえた機能を拡充し、企業の売上増加と業務効率の向上を支援していく。

「営業担当者と直接会話する前に、約57%の顧客は決定プロセスを終えている」現実から

 登壇した日本オラクル 専務執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括の下垣典弘氏は、調査会社CEBの調査から、「製品購入の決定プロセスにおいて、約57%の顧客が営業担当者と直接会話する前に終えてしまっている」ことを示し、営業戦略の取り方もITの活用で大きく変わりつつあること指摘した。勘や経験などではなく、ITによる情報を重視するデジタルマーケティングの手法を例に挙げる。

 こういった顧客の変化をいち早く捉え、適切なタイミングで適切な製品を売り込むための顧客管理や営業戦略を支援するITツールが、Oracle Sales Cloudや、競合であるセールスフォース・ドットコムの「Salesforce」をはじめとするSFA(Sales Force Automation)、それを包括したCRM(Customer Relation Management)システムである。Oracle Sales CloudがSFAやこれまでのCRMと異なるのは「顧客へ(go-to-customer)モデル」を盛りこんだ点にある。

photo Oracle Sales CloudとこれまでのCRMの違い

 Oracle Sales Cloudは、従来の「市場へ(go-to-market)モデル」から「go-to-customer)モデルの方向へ営業体制を変革していく各企業の取り組みを、自社のクラウドプラットフォームを軸にして包括的に支援するのが狙いだ。

 既にSFAシステムを導入済みの企業は多いかもしれないが、日本オラクルの試算によると、市場としては「3000億円を超えるマーケットがまだある」(日本オラクルの下垣氏)と考えている。SFAシステム未導入企業の潜在的需要となる約1800億円に加え、SFAシステム導入企業のうち、自社開発やパッケージで導入しており、クラウドシフトの可能性がある企業に約1400億円の市場があるとされ、これらを新たな想定顧客に据える考えだ。

「go-to-customerモデル」を支える、独自の業界別テンプレート

 下垣氏は、2015年10月現在、Oracle Sales Cloudがカバ−できる潜在顧客が直面する市場環境は以下のように変化しつつあると分析する。

  1. グローバル競争の変化
  2. 顧客からの期待値の増加
  3. 求められる業務工数の短縮
  4. 従来型の一方的な営業手法に対する課題

 この変化に対し、これからのCRMツールには、「(1)新興国・新興市場での顧客開拓と顧客との関係性の維持(例えば、スピード、安全性、撤退リスクの低減)、(2)顧客経験値に対応した提案力、(3)基幹システムとの連携(例えば、顧客視点での包括的な業務のシステム化)、(4)市場の声を聞き、即座に営業戦略へ生かす方法──が求められている」という。

 Oracle Sales Cloudは、新機能の目玉に据える「業界別テンプレート」で、業界特有のデータモデルや画面デザイン、業務フロー、ルールを標準機能として組み込んだ。日本市場における事情や商習慣もカバーすることで、その業界特有のニーズであっても迅速に対応でき、かつグローバルの業界標準テンプレ−トや成功事例も活用することで、日本企業の国際競争力向上を踏まえた実装工数の削減が図れるメリットを挙げる。

 (2)の提案力向上についても、マーケティング(Oracle Marketing Cloud)から社内ソーシャル(情報共有)、そして販売プロセス全体を管理する見積・提案書作成業務を最適化するCPQ(Configure, Price and Quote)ツール「Oracle CPQ Cloud」と連携し、半自動化が図れる。営業支援ツールを既存の基幹システムと連携したいとする企業の需要も、自社の需要に応じたカスタムAPIの開発がしやすいと謳う「Oracle PaaS(Platform as a Service)」上での「Oracle Java Cloud」などを駆使し、基幹システムを「業務システム」へ進化させる流れにつなげられる。

photo Oracle CloudおよびOracle Sales Cloudの強み
photo Oracle PaaSやJavaでの開発環境があることも強みに、基幹システムと連携してCRMを統一した業務システムへ進化させたいと考える企業ニーズにも応える

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