「高可用性システム」で、DRBDをどう活用するか:DRBDの仕組みを学ぶ(2)(2/3 ページ)
障害監視ツールなどと一緒に使い、サービスの継続提供を助けるDRBD。今回は「高可用性システム」でどう使うか、実践的な運用方法を解説します。
DRBDと組み合わせて高可用性を実現するソフトウエア
続いて、図1の構成での自動切り替えのため、DRBDとどのソフトウエアと組み合わせているかを解説します。
Corosync
Corosyncは、プライマリ機とセカンダリ機を相互に監視するオープンソースソフトウエアです。
互いにノード(サーバー)監視を行い、障害を検知するとその情報を「Pacemaker」に通知します。
Pacemaker
Pacemakerは、Corosyncから障害通知を受け取って、プライマリ機/セカンダリ機の切り替えを制御するオープンソースソフトウエアです。
Pacemakerの役割は、あくまでもリソース(アプリケーション)の管理です。実際の各アプリケーションの起動、停止などの制御は「リソースエージェント」が実施します。
リソースエージェント
アプリケーションの起動、停止などを行います。
アプリケーションに対応したリソースエージェントがいくつか存在します。一例として、MySQL、Oracle、PostgreSQL、Apache、IPaddr2(仮想IP)などのリソースエージェントがあります。
「Corosync」について
監視ソフトウエア「Corosync」をもう少し詳しく解説しましょう。
2015年10月現在、多くのシステムではCorosyncではなく、「Heartbeat」というソフトウエアが使われています。しかし、今後はCorosyncに代わっていくと予測されています。
1対複数台構成のサーバーが正常に動作するには、リアルタイムに状態認識を共有する必要があります。CorosyncはHeartbeatよりも設計が新しいため、通信効率が優れています。併せて、Corosyncそのものの性能と安定性も高まってきました。
最新の「DRBD9」も、1対複数台サーバーの構成を想定しています。DRBD9では、通信効率が優れているCorosyncが採用され、DRBD+Corosync+Pacemakerを組み合わせた運用が想定されています。
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