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WordPressを2.5倍速くするPHPアクセラレータ「APC」とにかく速いWordPress(2)(1/4 ページ)

企業のCMSサイトやオウンドメディアなどエンタープライズ用途での利用が増えている「WordPress」の高速化について解説する連載。第2回は、具体的なWordPressの高速化テクニックとして、ページのロード時間を2.5倍速くするPHPアクセラレータ「APC」を解説します。

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 前回は、「WordPress」の高速化が求められる背景と、高速化の基本的な考え方について解説しました。サーバサイドでのWordPressの高速化については、ページのロード時間と1秒当たりの同時アクセス数の概念を理解するのが重要であること、ページのロード時間は、

  1. HTTPリクエストの通信時間
  2. PHPの実行時間
  3. MySQLの実行時間
  4. 翻訳処理の実行時間
  5. HTTPレスポンスの通信時間

 の各要素に分解でき、それぞれの要素を最適化することにより、WordPressを高速化できることを説明しました。

 今回から、Amazon Web Services(以下、AWS)の仮想クラウドサーバ「Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)」上のCentOS 7にインストールしたWordPressを題材に、実践スタイルでの高速化テクニックを解説していきます。

 第二回目は、CentOS 7へWordPressをインストールし、PHPアクセラレータである「APC(Alternative PHP Cache)」を導入するとどんな変化があるか。その前後のベンチマークを取り、効果を実感するまでを解説します。



AWSのAmazon EC2で、CentOS 7を起動する

 まずは、サーバ環境を用意します。AWSのアカウントをお持ちの方は、AWSマネジメントコンソール(東京リージョン)から「EC2」→「インスタンスの作成」→「AWS Marketplace」と進み、「CentOS 7(x86_64)with Updates HVM」を選択して、インスタンスの作成を行ってください。

 AWSのアカウントをお持ちでない方は、ご自身でCentOS 7の環境をご用意いただき、AWSに関する記述は読み替えても同じように進めていただけます。ただし、SSH(Secure Shell)の鍵認証、デフォルトのユーザー、sudoの利用の有無、firewalldなどの起動しているサービスの差異、インスタンスタイプなどのサーバスペックの違いによるベンチマーク結果に差異が生じる箇所がありますので、この点はあらかじめご承知おきください。

photo AWS MarketplaceでCentOS 7を選択するところ

 「インスタンスタイプ」は、t2.mediumを選択してください。t2.mediumインスタンス(T2インスタンス)は、2vCPU、4GiBメモリで、1時間当たり10円ほどの価格となる標準的なインスタンスです。

 T2インスタンスは、CPUクレジットを利用したバースト機能があり、バースト時にはCPUの完全なコア性能を実行できる特徴を有しています。CPUクレジットはベースラインのCPU性能を消費していないアイドル状態の時に蓄積され、高負荷時はそれを消費してバーストできる権利です。Webサーバならば、夜間や早朝などのあまりトラフィックが発生しない時間帯にCPUクレジットが蓄積されます。そして、日中のピーク時にCPUクレジットを消費して、バースト性能を発揮します。CPUクレジットが全て消費されるとT2インスタンスはベースラインの性能に制限されます。つまり、T2インスタンスは「必要な時に、必要なだけ、コンピューティングリソースを利用できる」というクラウドコンピューティングの特徴を端的に示しているインスタンスタイプです。

 WordPressを高速化する目的は、ユーザーがサイトを訪れた際に「いかに速くWordPressを動作させて、PVを獲得し、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、検索エンジンに最適化させるか」を高いコストパフォーマンスで実現させられるか、です。この観点からもT2インスタンスは、WordPressの高速化と相性が良いインスタンスタイプといえるでしょう。

 では、このままウィザードを進めてインスタンスの作成を完了させましょう。「セキュリティグループ」では、SSHの他、HTTPとHTTPSをルールとして追加します。インスタンスには、SSHでの接続に必要なキーペアを作成するか、既存のキーペアを選択して割り当てます。

 インスタンスの作成が完了したら、「Elastic IP」のメニューから固定のグローバルIPアドレスを割り当てて、グローバルIPアドレスとパブリックDNSを固定させておきます。Elastic IPの割り当ての際は、「新しいアドレスの割り当て」でEC2ではなくVPCを選択してから、先に作成したインスタンスに割り当ててください。

photo Elastic IPの割り当てが完了した後のEC2マネジメントコンソール

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