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「Network is the computer」の男が思い描く、コンピュータの未来Go AbekawaのGo Global!〜Scott McNealy編(2/3 ページ)

グローバルを股に掛けたキャリアを築いてきたIT業界の先輩にお話を伺うシリーズ。今回はサン・マイクロシステムズ社共同創立者のScott McNealy氏に、同社創立時の思い出、そして現在取り組んでいること、エンジニアへの思いなどを伺った。※マクネリー氏のメッセージ動画付き

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大学やビジネススクールをしっかり修了したのは間違いだった(笑)

阿部川 スコットさんはハーバード卒業後、ロックウェルで2年間お勤めになりました。

マクネリー氏 はい、製造業者になるつもりでした。

 その後、スタンフォード大学院でさらに経営学を学び、卒業後はシカゴの製造業でコンサルタントをしました。そしてカリフォルニアの女性と恋に落ち、カリフォルニアに移り住み、世界で最初にUNIXをマイクロプロセッサに入れて動作させた小さなコンピュータ会社で10カ月働きました。

 その後、クラスメイトだったビノッド・コースラがコンピュータ会社を作ろうと話してきたので、彼と2人の仲間と4人で、サン・マイクロシステムズを設立しました。私たちは27歳で、私のビジネスマンとしての経験はたったの3年でしたが、他の3人はさらに短い、そんな4人でした。

 そんな会社が、豪華なヨットクルーザーを持っている男(オラクル創設者ラリー・エリソン)が、74億ドルで買い取るような会社になりました(笑)。その後私はウェイインを起業して、今はこうして頑張っています。「そしてみんな、仲良くくらしましたとさ」といったところでしょうか(笑)。

阿部川 「そして私たちはこうして楽しく話しあったとさ」ですね(笑)。

マクネリー氏 ハッハッハッ!

阿部川 製造業からコンピュータ業にシフトしたのは、特別な理由があったのですか?

マクネリー氏 単なる偶然です。しっかりしたキャリアプランあったわけではありません(笑)。

阿部川 しかし正しい決断をしたとお思いですね?

マクネリー氏 間違った決断だったのは、大学やビジネススクールをしっかり修了したことでしょうか(笑)。

 私と同じ時期のコンピュータ業界を見渡せば、(ビル)ゲイツ、(スティーブ)バルマー、(スティーブ)ジョブズ、(ラリー)エリソンなど、皆大学を中退して早くからビジネスを始めています。それに引き換え私は、ゆっくり大学を出てMBAまで取ってからITビジネスを始めたので、遅かった。彼らと同じように早くから働き始めていたら、もっとうまくやれたかもしれません(笑)。

新製品の出荷準備が完了したときの光景は、今もはっきり覚えている

阿部川 今までで一番エキサイティングだった出来事は何ですか?

マクネリー氏 うーん、とにかく全部ですね。新製品の3台のコンピュータの出荷準備が完了したときの光景は、今もはっきり覚えていますし、「よーし、もっと出荷できるようにするぞ」と思ったこともよく覚えています。

 最初の注文が入って、アセンブリラインを増強したこと、在庫量や管理の仕方を見直して強くし続けたこと、ラベルのテーピングを手伝ったり、新しいナンバリング方式を採用したりしたこと、新しいERPシステムを導入したこと、などなど。

 何もなかったところから、ビジネスの一日目をスタートさせ、従業員を採用し、チームを作り、毎週金曜夜には皆でビアバスト(ビールパーティー)を行いました。

 株式を公開し、従業員が家を買えるようになったり、子どもが大学に行けるようになったと聞いたり、赤ちゃんが生まれたり、従業員同士が婚約したり、といった多くの素晴らしいことがありました。

 世界中を旅して、仕事し、人間的な魅力に溢れる多くの素晴らしい人々と出会えました。

 サンでの一番の失敗は、未来を先取りし過ぎたことかもしれません。オープンソースソフトウェア、ネットワークコンピューティング、シンクライアントコンピューティング、IoT、ウェラブルコンピュータなど、今現在実現されつつある概念や製品を発表してきましたから。

 私たちがTCP/IPやUNIX、NFS(Network File System)、Javaなどを開発していたころは、インターネットは黎明期で、技術が時代に追いついていなかったと思います。しかし私たちはそれらを取り込み、市場に導入しました。それによってコンピュータ業界は大きく進展してきたと自負しています。

 私たちはまだ誰も歩いていない道をここまで固めてきた、パイオニアとしての仕事をしてきた、と誇りに思います。以前のサンの従業員と会話すると、異口同音に、「自分たちがやってきた仕事をとても誇りに思っている」と、そして「とても楽しかった」と言ってくれます。

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