シスコ、新世代の放送事業者向けメディアインフラソリューション「Media Blueprint」を発表:映像の迅速な制作と配信、デジタル著作権管理などを統合
シスコはコンテンツプロバイダーや放送事業者向けのメディアインフラソリューション「Media Blueprint」を発表した。
米シスコシステムズは2016年4月18日(米国時間)、米ラスベガスで開幕した国際放送機器展「National Association of Broadcasters Show 2016」で、新世代のコンテンツ配信インフラソリューション「Cisco Media Blueprint」を発表した。
Media Blueprintは、「IP Fabric for Media」「NFV Infrastructure for Media Data Center」「D9800 Network Transport Receiver」を包括したソリューションとして、コンテンツプロバイダーや放送事業者向けにクラウド型ビデオ配信やセキュリティ対策ツールなどと組み合わせて提供する。NBC OlympicsやCBS News Digitalといったグローバル規模のメディア企業が運営する媒体で導入が進んでいるという。
IP Fabric for Mediaは、スケーラブルなIPネットワーキングソリューション。シスコの「Nexus」スイッチと「SDN Controller」に基づく放送コンテンツの制作に最適化されており、放送用デジタルビデオ機器で使われる伝送規格であるSDI(Serial Digital Interface)から、IPへの移行を実現する。
NFV Infrastructure for Media Data Centerは、「Cisco Unified Computing System(UCS)」と「OpenStack」をベースにした仮想データセンタープラットフォーム。大規模なメディアアプリケーションを扱うワークロードに最適化したという。
D9800 Network Transport Receiverは、モジュラー設計ハードウェアから放送コンテンツを安全に配信するための新世代放送用プラットフォーム。幅広いプライマリー動画配信アプリケーションをサポートする。
これらのMedia Blueprintを構成する製品群と組み合わせて活用するクラウドサービスとして、「Infinite Video」と「VideoGuard Everywhere」も提供する。
Infinite Videoは、通信事業者のサービスに頼らずにビデオを配信できる、クラウドベースのOTT(Over The Top:通信事業者やISPなど飛び越えて、インターネットを通じてユーザーへ直接コンテンツやサービスを提供する形態や概念)型映像配信プラットフォーム。ユーザーの各種端末へ映像コンテンツを直接配信する環境を実現できる。
VideoGuard Everywhereは、デジタル著作権管理、海賊版メディア対策、消費者へのコンテンツの直接配信を可能にする認証といった機能を各種のプラットフォームや端末向けに提供する。
こうした製品やソリューションの組み合わせにより、プライベートクラウド、マネージドサービス、シスコのクラウド型SaaS(Software as a Service)で構成されるハイブリッドクラウド環境へ大規模な配信を想定する映像コンテンツを配置し、提供する環境を実現できるという。
シスコのチーフアーキテクトで、サービスプロバイダー部門エンジニアリング担当CTO(最高技術責任者)を務めるデーブ・ウォード氏は、Media Blueprintソリューションについて次のように説明している。「われわれが設計したメディアに最適化されたインフラは、顧客がOTTによる没入型体験を迅速かつ安全に多数のデバイスに提供するのを支援する。新しいおよび既存のIPビデオおよびクラウドソリューションを組み合わせるこの新アプローチにより、われわれはシスコおよびサードパーティーの機能をサポートしながら、オープンプラットフォームからのビデオワークフローのシームレスな統合を実現できる」
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