ミドル×IT 50代からのスマホアプリ開発:プログラミング異種格闘インタビュー(4)(2/2 ページ)
異業種、異職種ながら、ITやプログラミングで世の中を良くしていこうとチャレンジしている人たちへのインタビューシリーズ。第4ラウンドのテーマは「ミドル×IT」だ。
サービス開発のキッカケは「実体験に基づいた悩み」
元木昭宏さん(以降 元木) 私は普段、自動車メーカーで商品企画をしています。仕事では企画「だけ」ですが、旅するハッカソンでは「技術者と一緒に“カタチ”に」していった。このプロセスがとても新鮮で、学ぶことが多かったのです。
羽渕彰博(以降 ハブチン) 元木さんのチームが企画した「サイクリングコンシェルジュ「BETER(ビーター)」とはどのようなサービスなんですか?
元木 グループでサイクリングしているときに使用する、仲間との距離が一目で分かり、離れ過ぎるとアラートで教えてくれるサービスです。
「サイクリンググループごとのメンバー登録&管理」「メンバー(スマホ)の位置把握&距離差モニター」「お勧めスポットデータベース&接近時のポップアップお知らせ機能」「ワンタッチチャット機能」などの機能がある
ハブチン 元木さんのチームは、審査員から「ユーザーの課題がハッキリしている」と評価されました。なぜこのようなアイデアを思いついたのですか?
元木 私はしまなみ海道のサイクリングガイドを十年以上しています。ガイドでツーリングするときはいつも、後ろにいる人がどのような状況か心配だったのです。それで自分の課題を解決したいと思い、このアプリを考えました。
ハブチン なるほど、だからリアリティがあるのですね。ツーリングガイドをされている元木さんならではのサービスですね。
50の手習い。プログラミングを始めた理由
ハブチン 現在はどのように開発しているのですか?
元木 旅するハッカソンで知り合ったメンバーを中心に開発を続けています。当初は企画だけだったのですが、開発にも携わりたいと思い、IBMのBluemixを使って勉強を始めました。
ハブチン プログラミングの経験があったのですか?
元木 大学の卒論以来です(笑)。現在はBluemixのようなクラウドプラットフォームがあるので、50代からでも始められました。
ハブチン そのバイタリティは、どこから湧き出るのですか?
元木 どこからなのでしょうね。人を喜ばせることが楽しいからだと思います。サイクリングガイドも、参加者の楽しんでいる顔を見るのが好きなんです。
自転車の素晴らしさと瀬戸内の魅力を発信する「瀬戸内サイクルメディア」の理事にも就任したので、瀬戸内の自転車文化をいろいろな人に知ってもらいたいです。
ただサイクリングするだけではなくて、じゃこ天屋などのお勧めスポットを紹介することで、地域も活性化すると思うのです。そのための手段としてICT技術を生かしていきたいなと。
ハブチン サイクリングしながら食べたじゃこ天、おいしかったです。
目覚めよ、ミドル
元木 「HMCN(Hiroshima Motion Control Network)」というエンジニアのコミュニティに入り、BluemixやUnity、myThingsなどさまざまなプロダクトに触れる勉強会に参加しています。年齢に関係なく、勉強すればICTを身に付けられることを示したいなと思っています。
ハブチン 元木さんがいいモデルになりそうですね。
元木 私がICTに触れるキッカケになったのがハッカソンだったので、今年はHMCNでもハッカソンを開催して、ICTに縁のない方にも体験してもらいたいと考えています。
ハブチン ICTになじみの薄いミドル世代へのメッセージをお願いします。
元木 ハッカソンや勉強会などに誘いを受けたら、「何かのご縁」だと思って参加することをお勧めします。
年齢を経るとどうしても、よく分からないことを避けがちになりますが、そうすると、どんどん視野が狭くなります。知ったつもりにならないで、体験してみることが大事ではないでしょうか。
私自身、ハッカソンも、瀬戸内サイクルメディアも、HMCNも、最初はよく分かりませんでした。でも、参加したことで、価値観の合う仲間とつながりができ、自分のミッションも明らかになりました。何かを始めようと思ったときに、年齢は関係がないんです。
ハブチン 素晴らしいメッセージありがとうございました! 私も微力ながら協力していきます!
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