もし、希望と違う部署に配属されたら:田中淳子の“言葉のチカラ”(31)(1/2 ページ)
希望と違う部署に配属された。なりたい職種になれなかった。そんなときは、どう考え、どう行動すればよいのだろうか?
人材育成歴30年の田中淳子さんが、人生の先輩たちから頂いた言葉の数々。時に励まし、時に慰め、時に彼女を勇気付けてきた言葉をエンジニアの皆さんにもお裾分けする本連載。
前回は、新入社員の配属初日にやるべきこと、やると喜ばれることを紹介した。今回は、新卒時に希望の部署に配属されなかったエンジニアの話を紹介する。
「プログラマーになって、バリバリ開発したい」「グローバルなプロジェクトで海外のエンジニアと一緒に働く部署に配属されたい」――さまざまな夢や希望を持って会社に入った新入社員たち。
しかし、その願いは必ずしもかなうとは限らない。もし、希望と違う部署に配属されたら、どうすればよいのだろうか?
ITコンサルタントになりたかった
ITコンサルタントとして活躍中の30代男性に、これまでの経歴を伺ったことがある。入社して10年以上、希望とはまったく異なる部署にばかり配属されてきたのだという。
「私は入社当初からITコンサルタントになることを希望していました。しかし、最初に配属されたのは、コールセンターでした」
彼はがっかりしたものの、「どの職場、どの仕事でも『絶対に向かない』と思う人を配属させるはずはない。きっと人事が『この経験が必要だ』と判断したのだろう」と考え、真面目に取り組むことを心掛けたという。コールセンター業務から、顧客視点を学べたと話してくれた。
数年後、今度は、IT企画部門に配属になった。
またしても希望と異なり、コンサルタント業務に就けなかったが、IT企画は社内外の利害関係者と調整することが多く、ユーザーやベンダーなどとやり取りしながら、さまざまな人の希望や期待や考えを体験的に学べたという。また、その時できた社内外の人脈は、今でも自分の仕事を助けてくれる貴重なものだと語っていた。
入社から10数年後、ようやくITコンサルタントの部門に異動になった。
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