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サーバ屋がデータを飛ばしただと? 1億円払ってもらえ!「訴えてやる!」の前に読む IT訴訟 徹底解説(30)(2/3 ページ)

IT紛争解決の専門家 細川義洋氏が、IT訴訟事例を例にとり、トラブルの予防策と対処法を解説する本連載。今回は「レンタルサーバに保管したデータの保全責任」をめぐる裁判を紹介する。誰もバックアップを取っていたなかったデータが消滅したら、誰が責任を取るべきなのか?

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 建築業者は、ある意味単純に「プロバイダーの不注意で損害を受けたのだから、それを賠償するのは当然」という考えだ。

 プロバイダーは、「自分たちはサーバをレンタルしただけで、データの保守、運用は行っていない。データの滅失に備えてバックアップを取っておくなどの策を取り、保全を図る責任は、データオーナである建築業者にある」として、逸失利益分、つまり再構築費用400万円を超える分の支払いを拒否している。

 本件では滅失したのがWebサイトのデータだったので、大きな被害は出なかった。しかし、これが個人情報の漏えいだったらどうだろう。

 例えば、レンタルサーバに何らかの脆弱(ぜいじゃく)性があり、顧客もしかるべき防御策を取っておらず個人情報が漏えいしてしまったら、プロバイダーはどこまで責任を負うべきなのだろうか。

レンタルする“だけ”でもデータに責任を負うのか

 「サーバ内のデータ保全の責任」は、顧客とレンタルサーバ業者(プロバイダー)のどちらにあるのだろうか。裁判所の判断を見てみよう。

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