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マイクロソフト、SAP HANA対応インスタンスなど「Microsoft Azure」の大規模ワークロード向け機能を強化単一インスタンス対応SLA、Azure HUBの利用範囲も拡大

マイクロソフトは、Microsoft Azureでの大規模エンタープライズワークロード向けの強化強化を目指し、SAP HANAソリューション向けの新しい大規模インスタンスを発表。単一インスタンスVM用のSLAや、幾つかのAzure HUBイメージの提供も開始した。

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 米マイクロソフトは2016年11月21日(米国時間)、「Microsoft Azure(以下、Azure)」の大規模エンタープライズワークロード向けの機能強化を発表。SAPのインメモリデータプラットフォーム「SAP HANA」ワークロード向けの新しい大規模インスタンス、シングルインスタンスVM(仮想マシン)を対象とするSLA(Service Level Agreement:サービス品質保証)の提供、複数の「Microsoft Azure Hybrid Use Benefit(Azure HUB)」イメージをリリースした。

SAP HANAワークロード向けの大規模インスタンスを追加

 マイクロソフトは2016年にAzureで、SAP HANAアプリケーションの実行に特化したインスタンスの提供を開始。これらのインスタンスは、ハイパースケールパブリッククラウドの中でも最大規模のSAP HANAワークロードの実行を想定したものとなる。

 今回、新たに2つのインスタンスタイプを追加。1つはオンライン分析処理(OLAP)に最適化された、メインメモリが2TBのタイプ。もう1つは、オンライントランザクション処理(OLTP)に最適化され、メインメモリが4TBのタイプだ。いずれもCPUには、Broadwell(開発コードネーム)世代のインテルXeonプロセッサー E7 v4ファミリーを採用している。

photo SAPソリューション向けに追加された新たなインスタンス

 新しいインスタンスは2016年12月から提供開始される。これらのインスタンスの追加により、AzureではSAP HANAワークロードにおいて、OLTP用途では1ノードで4TB、OLAP用途ではマルチノード構成で32TBまでのメモリ環境がサポートされる。

 また、AzureのSAP HANA向けの大規模インスタンスは、HA(High Availability:高可用性)ペアで99.99%の稼働率がSLAとして保証される。ハイパースケールパブリッククラウドの中では2016年11月現在、最も高い数値だという。この他、バックアップとリストア、HA、DR(Disaster Recovery:災害復旧)といったシナリオをインフラとしてサポートし、パートナーによるSUSE Linux Enterprise、Red Hat Enterprise Linux、SAPとの統合サポートなども提供する。

シングルインスタンスVMを対象としたSLA

 これまでAzureでVMに対するSLAを得るには、少なくとも2つのインスタンスが必要だった。このため、既存のオンプレミスワークロードをAzureに移行する上でネックになることがあったという。スケールアウトができないワークロードがある他、スケーリングや管理にコストが余計にかかり、運用も面倒な場合があったからだ。

 そこで、簡単にスケーリングできないアプリケーションのサポートを強化するために追加するのが、「シングルインスタンスVMについて、SLAで99.9%の稼働率を保証する」とするサービスだ。これによって、オンプレミスからAzureに移行されるワークロードの増加につなげたい考えだ。

Azure Hybrid Use Benefit(Azure HUB)イメージ

 Azure Hybrid Use Benefit(Azure HUB)は、顧客がソフトウェアアシュアランス(SA)を含むオンプレミスWindows Serverのライセンスを使って、AzureでWindows Server VMを大幅に割安に利用できる特典のこと。年間で最大44%のコスト節約が可能だという。

photo Azure HUBイメージの検索画面

 今回マイクロソフトは、この特典をより利用しやすくするために、Azure Marketplaceから構築済みのHUB Windows Serverイメージに直接アクセスし、それらをデプロイすることや、Azure CLIやAzure PowerShellといった管理ツールを使って、こうしたイメージをデプロイすることを可能にした。マイクロソフト公認のAzure HUBイメージを使って、AzureポータルでAzure QuickStart GitHubテンプレートによる高度な自動化機能(ストレージの構成、バックアップ自動化、パッチ適用自動化など)を利用することもできる。これにより、柔軟性や利便性、大幅なコスト節約といったメリットが得られるという。

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