2016年、Windows関連の話題を振り返る:山市良のうぃんどうず日記(81:年末特別編)(2/4 ページ)
2016年も残りあとわずか。2016年1月から12月まで、特に筆者の印象に残っているWindows関連の話題を、その後日談を交えながら振り返ります。2016年をひと言でまとめるなら、Windows 10とWindows Server 2016に振り回された1年でした。
●4月――Windows 10のトラブルシューティング、もう一度、まとめました
本連載では、Windows 10へのアップグレードやアップグレード後のトラブル事例と解決方法を何度も取り上げてきました。2016年3月までのトラブル事例は、以下の記事にまとめてあります。
- Windows 10のトラブルシューティング、まとめました(本連載 第62回、2016年3月31日公開)
その後もトラブル事例は尽きません。主に、Windows Updateを起因としたトラブル、品質更新プログラムや機能更新プログラムによる仕様変更に関わるトラブルが多かったと思います。
- Windows 10のトラブルシューティング事例――グループポリシーエディターのエラーを素早く解決する(本連載 第64回、2016年4月25日公開)
- 更新プログラム「KB3159398」の適用で一部のグループポリシーが機能しなくなる問題を回避する方法(本連載 第68回、2016年6月27日公開)
- Windows 10のトラブルシューティング事例――ストアとストアアプリをポリシーで制限するには?(本連載 第69回、2016年7月12日公開)
- セーフモードでも起動できないという悪夢からの脱出、再び――Windows 10の場合(本連載 第73回、2016年9月5日公開)
- Windows Updateが進まない/完了しない/失敗するという悪夢からの脱出――Windows 10/Windows Server 2016の場合(本連載 第78回、2016年11月15日公開)
●5月――“Windows 7 SP2のようなもの”の提供
Windows Vistaは2007年1月、Windows 7は2009年7月のリリースです。これらのOSの「サービスパック(Service Pack:SP)」は、それぞれ2009年5月のWindows Vista SP2、2011年2月のWindows 7 SP1が最後です。最後のサービスパックからの期間が長いため、その後にリリースされた更新プログラムも膨大な数になっています。
トラブルシューティングのためにWindows VistaやWindows 7を新規インストールしたことがある人なら分かると思いますが、最後のサービスパック以降の全ての更新プログラムをインストールするには膨大な時間がかかるだけでなく、まず間違いなくいくつかのトラブルに遭遇します。
例えば、Windows Updateのコンポーネントが古いことが原因で更新が検出されなかったり、リソースの問題でCPUが100%に張り付き、更新の検出やダウンロード、インストールが一向に進まなかったりといったトラブルです。
Windows Updateに問題があっても新しいサービスパックがあれば解消されるのですが、Windows VistaとWindows 7はすでに延長サポートフェーズに入っており、新しいサービスパックが提供されることはありません。
Windows 7に関しては、2016年5月に良いニュースがありました。Windows 7 SP2ではありませんが、Windows 7 SP1以降の全ての更新プログラム(ただしIE 11およびIE 11関連を除く)を含むロールアップ更新プログラム「KB3125574」が提供されたのです。これにより、新規インストールから最新状態に更新するまでの時間と労力は大幅に短縮されます。以下の記事で実際にやってみました。
- ロールアップ更新プログラムでWindows 7の新規インストールが楽になる(本連載 第66回、2016年5月24日公開)
Windows Vistaに関してはロールアップ更新プログラムの提供はありません。先日、日本のWSUS(Windows Server Update Services)サポートチームのブログに、以下のような記事が投稿されました。根本的な問題解決にはならないかもしれませんが、Windows Updateで問題に遭遇したら試してみる価値はあります。
- Windows Vista にて Windows Update がなかなか終わらない事象について(Japan WSUS Support Team Blog)
実は、Windows XPでmicrosoft.comのWebサイトを参照できない問題が別のPCでも再現するのかどうかを、Windows XP Professional SP3を仮想マシン環境に新規インストールして試してみました。結果は、Windows Updateサイトから更新の確認とインストールを手動で実行することで、更新プログラムの検出がゼロになるまで何のトラブルもなく更新できました(画面4)。
Windows Updateが「コントロールパネル」に完全に統合されたWindows Vistaから、Windows Updateは爆弾を抱えてしまったように感じます。Windows 10でWindows Updateは新たに生まれ変わるチャンスを得たのですが、これまでの状況を見る限り、試行錯誤中という感が否めません。
●6月──半ば強引なWindows 10へのお誘い
マイクロソフトはWindows 10の2015年7月のリリースに向けて、Windows Updateを通じて「Get Windows 10(GWX)」アプリをWindows 7 SP1およびWindows 8.1のPCに配布して、Windows 10の無料アップグレードの予約を受け付けました。正式リリース後は、Windows Updateを通じてWindows 10のアップグレードの提供を開始しました。
GWXアプリには何度か変更が加えられ、「無効にしたはずなのによみがえった」といったゾンビ扱いや、「予約していないのにアップグレードが始まった」「勝手にアップグレードされた」「アップグレードを取り消せない」といったトラブルを起こすなど、話題に事欠きませんでした。今思えば懐かしささえ感じます。
- “勝手にWindows 10にアップグレードされる”は本当か?(本連載 第67回、2016年6月15日公開)
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