インテル、自動運転車技術の新ブランド「Intel GO」を発表 2017年内の公道テストを目指す:BMWなどと共同展開
インテルが自動運転車ソリューションの新ブランド「Intel GO」を発表。ハードウェアおよびソフトウェア開発キット、5G対応開発プラットフォームなどが含まれる。BMWなどと共同で開発し、2017年内の公道テストを目指す。
米インテルは2017年1月4日(米国時間)、自動運転車ソリューションの新ブランド「Intel GO」を発表した。
Intel GOでは、次世代のインテルAtomプロセッサーおよびインテルXeonプロセッサーなどをベースに、以下のパフォーマンスのスケーリングを実現する開発キットと、業界初とする自動運転車用の5G通信対応開発プラットフォームを提供する。
Intel GO In-Vehicle Development Platforms for Automated Driving
次世代のインテルAtomプロセッサーから、高パフォーマンスのインテルXeonプロセッサーまでのプロセッサと、自動車向けの高性能FPGA(Field Programmable Gate Array)である「Arria 10 FPGA」をサポートし、スケーラビリティと電力性能比の最適化を実現。知覚、融合、判断などを含む幅広い自動運転機能を提供する。
Intel GO Automotive 5G Platform
自動車向けの5G通信対応プラットフォームとして提供。自動車メーカーはこのプラットフォームを使うことで、2020年と予想される5G通信の実用化に先立って、幅広いユースケースやアプリケーションを開発、テストできる。
Intel GO Automotive SDK
自動運転に向けたディープラーニングツールキットなど、自動運転業界固有の状況や需要を踏まえたSDK(Software Development Kit)を提供する。開発者は一貫した操作性で設計ペースを速められるとともに、ハードウェアの機能を最大限活用した開発を進められる。
インテルはIntel GOシステムについて、同社が自動車分野で長年に渡って行ってきた投資の延長線上にあるものだと説明している。2017年1月現在、インテルの技術を採用した車種は「49」に達しており、このうち30以上が公道を走行。また、公道テスト中である数百台の自動運転車にもインテルの技術が使われているという。
これまでにBMW、デルファイ、バイドゥといった業界大手がインテルの技術を採用して自動運転車の開発を進める計画を表明している。BMWはIntel GOの発表と同日の2017年1月4日、インテルおよびモバイルアイとともに、Intel GOを搭載した自動運転車約40台の公道テストを2017年内に実施すると発表している。
さらにインテルは、将来の自動運転における5G通信の重要性を強調。4Gまでの通信システムは自動運転で必要となる膨大なデータの取り扱い対応できるように設計されてはいないが、5G通信が実用化されることで、自動運転に必要な通信速度、超低レイテンシ、車両間(V2V)通信などが可能になるという。
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