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その「こだわり」は、犬も食わない――エンジニアの「本質」とは仕事が「つまんない」ままでいいの?(25)(2/3 ページ)

ちょっと油断すると、人はすぐに「目的」と「手段」を取り違えてしまいがちです。仕事の不満や悩みを解消するヒントをお届けする本連載。今回のテーマは、エンジニアの「こだわりと本質」です。

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エンジニアの「本質」とは?

 では、「エンジニアの本質」とは何でしょうか。個人的には、エンジニアの本質は「技術的な価値を通じて、人を豊かにする」ことだと思います。

 でも、エンジニア時代には「エンジニアの本質」なんて考えたことがなかったなぁ(私はかつてエンジニアでした)。興味があったのは、「最新の技術動向は?」とか、「このシステムをどんな技術を使って作り上げるか」ということだけで。

 逆に、「エンジニアの本質とは、技術的な価値を通じて、人を豊かにすることだ」なんて誰かから言われたら、「まぁ、それはそうだけど、そんなこと、当たり前でしょ?」と、軽く受け流していたと思います。

 このように「本質」は、言葉にしてしまうと「そんなの、当たり前」になってしまいます。例えば、人が生きる本質は「幸せになること」だと思うのですが、そんなの、当たり前ですよね。

 そして、多くのエンジニアの意識は、本質よりも「いかに優れた技術力を身に付けるか」「その技術力で、いかに優れたシステムを作るか」に向きがちです。もっとも、エンジニアの仕事はシステムを作り上げることですから、そう考えるのは、何ら悪いことではありません。むしろ、当然。

 でも、技術力やスキルに傾倒するあまり、エンジニアの本質を忘れてしまうことも、あると思うのです。かつての私がそうだったように。

その「こだわり」は、犬も食わない

 私はエンジニア時代、結構、技術力に自信がありました。Java言語が好きで、オブジェクト指向プログラミングが大好きで、ソースコードの書き方やドキュメントの作り方など、「プログラミングとは、こうあるべし」みたいなこだわりを強く持っていたタイプです。

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