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Windows 10のWindows Updateサービスを停止しようと考えている方へ山市良のうぃんどうず日記(82)(1/2 ページ)

Windows 10のWindows Updateは、以前のWindowsから大きく変わりました。Windows 10になってからも変更は続いています。半ば強制的なWindows Updateに対抗する最終手段は「Windows Updateサービス」の無効化ですが、どうしてもというなら、影響を知った上で一時的に無効化するのがよいでしょう。

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「絶対に再起動されては困る」という状況はあるはず

 Windows 10のWindows Updateは“半ば強制的”です。既定は「自動」です。Windows 10 バージョン1511以前は、「再起動の日時を設定するように通知する」というオプションが選択できました。

Windows 10 Anniversary Update バージョン1607からは、「自動」「再起動の日時を設定するように通知する」の選択オプションは廃止されました。既定で更新プログラムが自動でダウンロードされてインストールが開始され、更新により再起動が必要な場合は「アクティブ時間(最長12時間)」外に自動的に再起動するようになっています(画面1)。

画面1
画面1 Windows 10 バージョン1511(左)とWindows 10 バージョン1607(右)のWindows Updateの詳細オプション

 再起動待ちの状態であれば「再起動のオプション」でカスタム再起動時間を構成することで、既定で最大7日間(ポリシー設定で最大14日)、再起動を延期することはできますが、PCの前にいなければ気が付くことはないでしょう。

 アクティブ時間外の自動再起動は、アプリケーションを実行中で未保存のデータがある場合でも、問答無用で開始されます。その結果、PCを使っていたら突然、勝手に再起動された、未保存のデータが失われたということになります。

 Windows 10の売り文句の1つで「進化し続ける、Windows史上最高のOS」というのを目にしたことがあります。Windows 10のWindows Update、そして、その後も繰り返されるWindows Updateの変更は、進化と呼べるものでしょうか。Windows 10のInsider Previewを見ると、Windows Updateは今後も変更が加えられていくようです。

 Windowsのセキュリティを永続させていくためには、Windows 10のWindows Updateは唯一無二の現実的な解答かもしれません。しかし、ユーザーには今、あるいはこれからしばらくの間はWindows Updateに邪魔されたくない、あるいは絶対に再起動されては困るという状況があるはずです。

 ポリシー管理に対応したWindows 10 Pro、Enterprise、Educationエディションなら、「コンピューターの構成\管理用テンプレート\Windows コンポーネント\Windows Update\自動更新を構成する」ポリシーを「手動(通知)」に変更することで、ダウンロードやインストールを手動で開始するように変更することができます。しかし、Windows 10 Homeエディションでは、この方法は利用できません(ポリシーと同じレジストリを設定しても効果はありません)。

 Windows 10 Homeエディションは、自動更新の恐怖と向き合うしかないのでしょうか。インターネットにワイヤレスで接続されている場合は、「従量課金の接続」として構成することでWindows Updateを実行させないようにすることができます。そして、最終手段は「Windows Updateサービスの無効化」ということになります。

サービスの無効化なら、怪しげなツールに頼る必要なし

 筆者はWindows Updateサービスの無効化をお勧めしません。しかし、「一時的な無効化ならアリ」だと思います。最近は、Windows Updateの設定をいじくるツールが話題になっているようです。しかし、Windows Updateサービスの無効化は、管理ツールの「サービス」スナップインを使用して簡単に行えるので、怪しげなツール(まっとうなツールだとしたら大変失礼しました)に飛び付くのはどうかと思います。重要なのは、サービスの無効化は「一時的な対処」にすること、そして、後で忘れずに有効化することが大切です。

 「サービス」スナップインを操作するのは面倒という場合は、次のように記述したバッチファイルを2つ作成し、「C:\Scripts」などのフォルダに保存してください。


@echo off
net stop wuauserv
sc config wuauserv start= disabled > nul
echo #######################################
echo Windows Update サービスを無効にしました
echo #######################################
timeout 5
DisableWindowsUpdate.cmd:Windows Updateサービスのスタートアップを無効に切り替えるバッチファイル


@echo off
sc config wuauserv start= demand > nul
echo #######################################
echo Windows Update サービスを有効にしました
echo #######################################
timeout 5
EnableWindowsUpdate.cmd:Windows Updateサービスのスタートアップを既定の設定に戻すバッチファイル

 これらのバッチファイルを実行することで、Windows Updateサービスの停止と無効化/有効化を素早く行うことができますが、管理者として実行する必要があります(画面2)。なお、Windows Updateサービスを停止できない場合は、何度か再実行してみてください。それでも停止しない場合は、PCを再起動することでWindows Updateサービスは停止状態になります。

画面2
画面2 「DisabeWindowsUpdate.cmd」を管理者権限で実行すると、Windows Updateサービスのスタートアップが「無効」になる

 簡単に「管理者として実行」するためには、エクスプローラーでこれらのファイルのショートカットをデスクトップ上に作成し、ショートカットのプロパティの「詳細設定」で「管理者として実行」オプションをチェックします(画面3)。これで、デスクトップ上のショートカットファイルをダブルクリックするだけで、Windows Updateサービスの停止と無効化/有効化を素早く実行できるようになります(画面4)。

画面3
画面3 バッチファイルのショートカットを作成し、ショートカットのプロパティで「管理者として実行」オプションをチェックする
画面4
画面4 デスクトップのバッチファイルをダブルクリックするだけで、Windows Updateサービスの無効化/有効化を素早く実行可能に。サービスの停止に失敗した場合は、再実行してみる

 Windows Updateサービスを無効化したことを忘れてしまうと、更新されない状態が続いてしまい、よろしくありません。有効化するのを忘れても大丈夫なように、タスクスケジューラに「EnableWindowsUpdate.cmd」のタスクを作成し、システム起動時などに最上位の特権で実行するように設定しておくとよいでしょう。これで、Windows Updateサービスを無効化しても、次回起動時に自動で設定を元に戻すことができます(画面5)。

画面5
画面5 システム起動時などに管理者権限で「EnableWindowsUpdate.cmd」を実行するタスクをタスクスケジューラに作成しておくと、無効化したままの状態を防止できる

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