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UnityとVuforia Object Scannerを使って立体マーカーにオブジェクトを表示するARコンテンツを作るUnityで始めるVR/AR開発入門(5)(4/4 ページ)

HMDの中でも比較的扱いやすいGear VRで体験できるVR/ARコンテンツをUnityで開発する方法を紹介する連載。今回は、Vuforia Object Scannerを使ってマウスをスキャンして、そのマウスにUnityからパーティクルを表示させてみる。

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Android端末でARを表示させる

 次にAndroid端末(ここでは、Galaxy S6)で表示させてみよう。ここまでの手順を上書き保存しておく。

 Unityメニューの「File」→「BuildSettings」と選択する。「Add Open Scene」ボタンをクリックして、「マウスのエフェクト」を追加し、「Platform」に「Android」を選択する(図21)。


図21 BuildSettingsを設定した(

 図21の左下にある、「Player Settings」ボタンをクリックして、Identificationの「Bundle Identifier」に「com.unity3d.Vuforia_mouse_Sample」と指定した。名称は何でも構わない。

 「Minimum API Level」には、「Android 5.1 ’Lollpop’(API level 22)」を指定する。筆者のAndroidは「6.0」だが、「6.0」が表示されないので、「5.1」を指定しても問題はない。

 次に、「Build」をクリックする。「.apk」ファイルの保存を聞いてくるので、「Vuforia_mouse_sample」というファイル名で書き出す。書き出しには多少時間がかかる。

 指定したフォルダに「Vuforia_mouse_sample.apk」が書き出されるので、Galaxy S6とPCとを接続して、このファイルをAndroid端末の適当なフォルダにコピーしてインストールする。

 Galaxy S6のカメラでマウスを写すと図22のようにマウスがエレキに満ちて表示される。


図22 Android端末で表示させた

Gear VRでARを表示させる

 では、次にGear VRで表示させてみよう。Gear VRで表示させるには、以下の4つの手順を実行しておく必要がある。詳細については、連載第2回を参照してほしい。

  1. 「oculussing_デバイスID名」ファイルのインポート
  2. ダウンロードした「Oculus Utilities for Unity 5」の「OculusUtilities.unitypackage」のインポート
  3. 「戻る」ボタンの実装
  4. Player SettingsからOther SettingsにあるVirtual Reality SDKに必ずチェックを入れておく

 1で作成する「Plugins」と「Android」というフォルダは既に存在しているので、「assets」というフォルダだけを追加して、「oculussing_デバイスID名」ファイルを入れておくといい。

 上記4つの手順を終えるとUnityメニューの「BuildSettings」を行う。これも連載では既に解説済みなので、連載第3回を参照してほしい。

 連載第3回と異なるのは、今回は「Multithreaded Rendering」にチェックを入れておく必要がある点だ。他は連載第3回の解説と全く同じ設定を行うといいだろう。

 「PlayerSettings」の「Identification」の「Bundle Identifire」は、先に名称を指定しているので、そのままの名称でもいいし、変更しても構わない。適当な名前を指定するといいだろう。

 Galaxy S6にデプロイする場合のファイル名は、今回は「Gear_VR_Mouse」とした。

PCとGalaxy S6を接続する。デプロイが終わると、端末をGear VRにセットするようメッセージが出るので、セットする。

 では、実際にGear VRでマーカーを見つめて、マウスにエフェクトが表示されるかを見てみよう。エフェクトが表示されたワンカットが図23だ。


図23 Gear VRを通して、マウスにエフェクトが表示された

 図23を見ると分かるが、Webカメラや端末でエフェクトを表示させた場合と異なり、Gear VRを通すとエフェクトが結構ずれて表示された。いろいろ試行錯誤して合わせてみたのだが、これが精いっぱいだったので、ご了承願いたい。

 動画は、動画2になる。

動画2 Gear VRを通してマウスの上にエレキが表示されている動画

マウス以外も立体マーカーにしてみよう

 今回は、マウスを使ったが、スキャンする対象は、おもちゃの自動車やフィギュアでも、何でもいい。スキャンしてTarget Managerに追加し、Unityの中でエフェクトをかけると、いろいろ面白い効果を表現できるだろう。

 ただ、状況によっては、なかなかエフェクトがうまく表示できない場合もある。その場合は、スキャンがうまくいっていなかった可能性があるので、スキャンからやり直す必要があるだろう。

 また今回、マウス以外をスキャンして分かったことだが、Gear VRを通してみるには、フィギュアのような形が複雑なものは、なかなかエフェクトが表示されづらかった。Webカメラや端末では容易にエフェクトが表示されるのだが、Gear VRでは、表示させるのに見る位置をうまく調節せねばならなかった。これは、Gear VR側の問題だろうと思う。マウスのような形状が単純なものは問題がない。

 次回は、Vuforia Developer Portalで公開されているサンプルを使う。これを使うと、気軽にGear VRからマーカーに3Dオブジェクトを表示できるので、お楽しみに。

著者プロフィール

薬師寺 国安(やくしじ くにやす) / 薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basicプログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。

1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。

1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット「PROJECT KySS」を結成。

2003年よりフリーになり、PROJECT KySSの活動に本格的に参加。.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。

Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindowsストアアプリを多数公開中。

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。

Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。

Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。

Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。


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