AI搭載コネクテッドカー向けプラットフォーム「Dragon Drive」、自然言語認識で「同乗者の声の識別」にも対応:車載アシスタントをより賢く、便利に
ニュアンスがコネクテッドカー向けプラットフォーム「Dragon Drive」の機能を拡充したと発表。AIを用いた音声対話と認知機能を、運転者に加えて同乗者にも対応させた。
音声認識やOCR画像認識ソリューションなどを展開するニュアンス・コミュニケーションズは2017年6月13日、同社が開発するコネクテッドカー向けプラットフォーム「Dragon Drive」の機能を拡充したと発表。AI(Artificial Intelligence:人工知能)を用いた音声対話および認知機能を、運転者に加えて同乗者にも対応させた。併せて、クルマと住宅との連携を踏まえた相互運用機能も拡張した。
人物を個別に識別できるようになることで、例えば対話開始のための音声キーワードをしゃべったり、機器の選択ボタンを押したりすることなく、音声アシスタントやナビゲーション、音楽再生などの車載機能を利用者個別の嗜好などに沿って操作できるようになる。また、クルマと住宅間の機能拡張を利用することで、スマートホームシステムやアプリケーションを音声操作する車載インフォテインメントシステムの開発が容易になるという。
ニュアンスが世界の主要な自動車メーカーに対して実施した調査結果によると、「AIは、車載システムの全体的なユーザー満足度の向上に最も影響を与える」と回答した割合が43%に上った。また、クルマのHMI(Human Machine Interface)戦略において、AIが「重要」または「非常に重要」と回答した割合は90%以上に達し、その85%は「車内ユーザーエクスペリエンスの最適化」が重要または非常に重要と回答したという。
こうした結果を受けて、同社では車載アシスタントの対話・認知型AI機能は「車内の誰もが自然に利用できる」ことが必須と判断。音声信号処理や声紋認証、音声認識、自然言語理解、音声合成といった各機能を統合することで、どの座席にいる人でも音声での自然な操作を可能とした。運転者に加えて同乗者の好みなども学習して、ナビゲーションや空調などの車内機能の操作体系を個別に提供できるようになるという。例えば、「お気に入りを再生」と言えば、その発声者を特定して、その人がお気に入りに設定している音楽を再生できる。
ニュアンスのオートモーティブ事業部でシニア・バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるアーンド・ヴァイル氏は、「今日のコネクテッドカーには多くの豊富なコンテンツアプリとサービスがあり、それを誰もが自然に使えるようにする必要がある。次に、高度化された車載アシスタントは、運転者が半自動運転車、そして将来的な自動運転車に対して感じる“信頼の鍵”となる」と述べた。
なおDragon Driveは2017年6月現在、アウディ、BMW、フォード、ゼネラルモーターズ(GM)などで採用実績があり、1億6000万台以上の車に搭載したという。
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