HPE、「HPE Apollo 6000 Gen10」など新世代HPC・AIシステムを発表:SGI買収後、初の共同開発製品も
Hewlett Packard Enterpriseが、「HPE Apollo 6000 Gen10」「HPE Apollo 10 Series」など新世代のHPCおよびAIシステムと関連ソフトウェア、サービスを発表。SGI買収後初の共同開発製品「HPE SGI 8600 System」もリリースする。
Hewlett Packard Enterprise(HPE)は2017年6月19日(米国時間)、新世代のハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)およびAI(Artificial Intelligence:人工知能)システムと関連ソフトウェア、サービス群を発表した。2017年7月から順次販売を開始する。
ハードウェアは、「HPE Apollo 6000 Gen10」「HPE SGI 8600」「HPE Apollo 10 Series」をリリースする。これらは各種のワークロードに最適化させることが可能で、効率的な洞察を高速に導き出せるように設計されている。併せて、サイバー攻撃に対する脆弱(ぜいじゃく)性の低減や経済性の管理向上も実現するとHPEは述べている。
システム概要は以下の通り。
HPE SGI 8600 System
HPE SGI 8600 Systemは、SGI ICE XAアーキテクチャをベースにした水冷式のペタスケールシステム。HPEがSGI(Silicon Graphics International)を買収して以来、初の共同開発による製品だという。主な特長は以下の通り。
- 業界有数の並列処理パフォーマンスを提供
- スイッチを追加せずに1万以上のノードにスケーリング可能
- 統合型スイッチとハイパーキューブ技術を採用
- 業界標準に基づくさまざまな技術選択肢や柔軟性を提供
HPE Apollo 6000 Gen10 System
HPE Apollo 6000 Gen10 Systemは、HPEが新世代と位置付ける大型商用空冷式HPCプラットフォーム。ラック当たり300T FLOPS(Floating-point Operations Per Second)の性能と、高いラックスケール効率や価格性能比を実現するよう再設計された。併せて、セキュリティ脅威からの保護のために、独自の「シリコンルートオブトラスト」と呼ばれる技術を採用している。主な特長は以下の通り。
- 業界をリードする信頼性、アクセス性、サービス性、管理性
- アプリケーションのライセンス効率が向上
- レイテンシの低減とIOPS(I/O Per Second)の向上
- 省電力と冷却要件の削減
HPE Apollo 10 Series
HPE Apollo 10 Seriesは、エントリーレベルのディープラーニングやAIアプリケーションに最適化されたスケーラブルシステムの新世代版。「HPE Apollo sx40 System」は、1UデュアルソケットのIAサーバで、最大4基のNVIDIA Tesla SXM2 GPUとNVLinkをサポートする。「HPE Apollo pc40 System」は同じく1Uデュアルソケット型で、最大4基のPCIe GPUカードに対応する。
HPEはこれらのハードウェアとともに、HPCおよびAIの顧客ニーズに応える高度なファームウェアセキュリティ、一連のソフトウェア群「HPE Performance Software Suite」、コンサルティングサービスなども併せて提供する。
HPE Performance Software Suiteは、「HPE Performance Software - Core Stack 2.2」「HPE Insight Cluster Management Utility 8.2」「HPE SGI Management Suite 3.5」「HPE Performance Software - Message Passing Interface」などで構成される。
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