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ソラコム、海外向けでeSIMの段階的な提供を発表、無駄を防ぐ料金改定も加入者管理を独自実装

ソラコムは2017年10月11日、同社のIoTサービスのうち海外向けの「SORACOM Air for セルラー(以下、グローバル向けAir SIM)」で、広義・狭義の「eSIM」を実現する機能を、段階的に実装していくことを発表した。

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[2017/11/8修正]ソラコムは2017年11月8日、本記事でお伝えした新SIMの正式提供開始(12月1日)に当たり、10月11日に発表した料金を一部変更した。具体的には「SORACOM」からIoTデバイスへのSMS送信料を、1通当たり0.15米ドルから0.005米ドルに引き下げた。本記事ではこれを反映するため、料金体系に関する図を差し替えた。

 ソラコムは2017年10月11日、同社のIoTサービスのうち海外向けの「SORACOM Air for セルラー(以下、グローバル向けAir SIM)」で、広義・狭義の「eSIM」を実現する機能を、段階的に実装していくことを発表した。

 まず、グローバル向けAir SIMは、ソラコムが複数のモバイル通信キャリアと契約し、MVNOとして北米、南米、欧州、アジア(日本を含む)など、多数の国々で共通に使うことのできるように提供している、日本向けとは別のSIM。

 ソラコムはこのSIMで、自社による加入者管理(HLR:Home Location Register)を実装。これに基づき、10月11日より料金体系をより柔軟なものにした。

 自動車産業を例として考えると分かりやすいが、製品にSIMを組み込む場合、メーカーはSIMの契約を有効化し、工場出荷時に疎通確認をする。その後販売した後に有効化できるようにしたい。この過程で、利用していない期間の料金は払いたくない。

 そこでソラコムが新たに導入したのが「Suspended(サスペンデッド)」「Standby(スタンバイ)」の2つのモード。ソラコムSIMの利用を開始すると、通常は利用を休止していても、1日当たり0.06米ドルの基本料金がかかる。だが、通常の利用休止ではなく、サスペンデッドかスタンバイかのいずれかのモードにすると、基本料金がかからなくなる。


柔軟な料金体系を実現

 サスペンデッドとスタンバイの違いは次の通り。スタンバイでは、次に電源を投入すると、自動的に利用再開となり、通常の課金が始まる。製品の販売後にユーザーが電源投入をすると、自動的に利用を開始させたい場合に適している。一方のサスペンデッドは、管理コンソールで明示的に利用再開の操作を行うと、課金が始まるというもの。いずれの場合も、利用再開の際に、アクティベーション料金として1.8米ドルがかかる。

 ソラコムの玉川憲社長によると、加入者管理を通信事業者に依存している限り、MVNOは利用開始時より管理料金を通信事業者に払わなければならない。だが、自社で管理すれば、この支払いがなくなり、今回の新料金体系のような形で顧客に還元できるという。

 もっとも、上記の効率的な課金の仕組みは、欧州の通信事業者が自動車メーカーに提供している例などがある。ソラコムとしては、1枚から提供できる点、クラウドベースで多様なサービスを提供している点などを、優位性として訴えていくという。

 「組み込みに適したSIM」という意味でのeSIMについては、カード型のSIMに加え、チップ型のSIMを販売開始した。衝撃、温度、振動に強いのが特徴という。サイズも6mm×5mmと小さい。チップ型のSIMは、3000個を1ロットとして提供する。


チップ型のSIMを提供

カード型/チップ型の新SIMの料金

 「eSIM化」ではさらに、チップ型のSIMについて、今後国際標準化団体のGSMAが定めた「M2M Remote Provisioning Architecture(RPA) for embedded UICC version 3.1」に対応、これによってプロファイルの自動的な遠隔切り替えによる最適な通信事業者選択を実現するという。RPA対応により、ソラコム自身にとっては、新たな通信事業者の選択肢が増える効果もある。

 ソラコムは、前述のRPAをはじめ、さまざまな付加機能を、eSIMにアプレットとして実装していくという。

Beam、Funnel、HarvestはSMSに対応

 さらにソラコムは、SORACOM Beam、Funnel、Harvestの3サービスが、 SMSでのデータ転送に対応したと発表した(当面はeSIMのみ)。データ通信セッションを起動せずに送信ができるため、バッテリの節約につながるという。また、バイナリフォーマットを使うことで140 バイトまでの通信が可能になるという。

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