富士通、ロボットによる自然な対人コミュニケーション実現へ「ロボットAIプラットフォーム」を発表:自然対話、表情認識、音声感情分析などのAI技術を搭載
富士通は、自然対話や表情認識、音声感情分析、顔認識を備えた対人コミュニケーション向けサービスプラットフォーム「ロボットAIプラットフォーム」を開発した。ユニロボットによるコミュニケーションロボット「unibo」とセットで提供を開始する。
富士通は2017年12月12日、対人コミュニケーションに特化したサービスプラットフォーム「ロボットAIプラットフォーム」を発表した。ユニロボットのコミュニケーションロボット「unibo」とセットで、同日に提供を開始した。
同社は、ロボットAIプラットフォームに、自然対話や表情認識、音声感情分析、顔認識といったコミュニケーションに関するAI(人工知能)技術を適用。さまざまな機器を接続できるクラウドサービスとして提供する。特定のロボットを接続することで、窓口業務や高齢者介護など、個人の状態や嗜好に合わせた自然対話によるコミュニケーションサービスを可能にするという。
同プラットフォームは、2つの自然対話方式を実装する。1つは、富士通研究所が開発したサービスロボット基盤技術に基づき、ロボットが人との積極的な対話を通してその人の嗜好や状態を認知し、文脈に応じた話題を提供するもの。もう1つは、音声認識や会話型音声検索などを手掛けるiNAGOが開発し、人の対話意図を絞り込む目的志向の対話機能。この2つの方式を、利用シーンに応じて自動的に使い分ける。
表情認識機能は、sMedioと富士通が共同開発し、わずかな表情変化でも喜怒哀楽を判別可能だという。顔認識機能は、顔の一部が隠れた状態でも個人を識別できる。
富士通は、ロボットAIプラットフォームを、uniboとセットで「ロボットAIプラットフォーム 実証パック for unibo」として64万8000円(税別)提供する。導入検討に1年間の実証利用期間も設ける。その他、企業の持つ既存システムとも連動可能な「ロボットAIプラットフォーム 基本サービス for unibo」、unibo本体や「ロボットAIプラットフォーム 基本サービス for マルチデバイス」などのプランも、2017年度中に提供開始予定だ。
富士通は、ロボットAIプラットフォームを活用し、さまざまな企業のシステムにロボットで付加価値を提供したいとしている。同社は今後、ロボット研究開発で培った知見やノウハウを体系化し、顧客によるロボット導入の計画策定や活用アイデアの提案、検証などのコンサルティングサービスとして提供する。
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