無駄(かもしれない)知識クイズで振り返る、Windows都市伝説2017:その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(100:年末特別編)(3/4 ページ)
本連載では、Windowsの不思議な挙動や、誤解されている、あるいは既に古くなった知識を取り上げてきました。中には、深すぎて無駄に思えるものもあったでしょう。ですが、頭の片隅に置いておけば、いつか必ず役に立つ(あるいは自慢になる)はずです。2017年に取り上げたトピックをクイズ形式で振り返ってみましょう。
A3──Windows Updateで更新の延期と一時停止はWindows 10 バージョン1511のポリシー設定が最初
正解は(1)Windows 10 November Update(バージョン1511)
Windows Updateの更新延期と一時停止の機能(延期の対象や期間、一時停止の挙動は、Windows 10のバージョンによって異なりますが)は、Windows 10の初めての機能更新(当時は「機能アップグレード」と呼ばれていました)である「Windows 10 November Update(バージョン1511)」から提供されています。
当初は「Windows Update for Business」の機能の一部として、「グループポリシー(またはローカルコンピューターポリシー)」でのみ構成することができました。「設定」アプリのWindows Updateの「詳細オプション」で正式に利用可能になったのは、Windows 10 Creators Update(バージョン1703)からです。本連載2017年の初めての記事では、Windows 10 Insider Previewに追加された「詳細オプション」の機能について紹介しました。
- 2017年、Windows 10の新たな都市伝説が生まれるその前に(第75回、2017年1月25日公開)
A4──OneDrive for Businessの昔の名前はGrooveでした。今もファイル名はGroove.exeです
正解は(3)OneDrive for BusinessがGroove.exeだから
「Grooveミュージック」はWindows 10のビルトインアプリの1つですが、Microsoft Office 2007に含まれていたアプリケーションの1つも「Office Groove」という名称でした。
「Microsoft Office Groove」はその後、「SharePoint Workplace」(Microsoft Office 2010)→「SkyDrive for Business」(Microsoft Office 2013)と名前を変え、現在は「OneDrive for Business」(Microsoft Office 2016)という名前になっています。実行ファイル名は、現在でも「Groove.exe」です。こうした名前の変更や再利用について、他にも本連載の第92回で紹介しました。
- 君の名は? 昔の名前が出てこない(第92回、2017年9月12日公開)
上記記事では「Grooveミュージック」アプリについては突っ込みませんでしたが、「Grooveミュージック」アプリの実行ファイルは「Music.UI.exe」、パッケージ名は「Microsoft.ZuneMusic」です(画面6)。パッケージ名は、日本では発売されなかったMicrosoftの携帯音楽プレーヤー「Zune」とそのサービスに由来するものです。Windows 8.1のときは「ミュージック(Xbox Music)」という名称でした。
なお、「Microsoft Store」(旧称、Windowsストア)を通じた音楽の販売とストリーミング配信は、2017年12月31日で終了するそうです。それまでに「Grooveミュージック」や「ミュージック(Xbox Music)」で購入、ダウンロードしたもの、OneDriveに自分でアップロードしたものは再生できるそうです。(大人の?)事情については、以下のFAQを参照してください。
- Groove Music PassとSpotify:よくあるご質問(Microsoftサポート)
A5──Windows Server バージョン1709は、Windows Server 2016とは別のSKU
正解は(2)そもそも提供する予定がない
Windows Server バージョン1709は、Windows Serverのソフトウェアアシュアランス(SA)に基づいて提供される「Semi-Annual Channel(半期チャネル)」バージョンの初のリリースです。半期チャネルは、1年に2回、3月ごろと9月ごろに新バージョンがリリースされ、各バージョンは18カ月間サポートされます。これは、Windows 10の半期チャネルと同様のリリースサイクルおよびサポート期間です。
一方、Windows Server 2016はSemi-Annual Channelではなく、「Long Term Servicing Channel(LTSC)」という位置付けの固定化バージョンの最新バージョンであり、従来と同様に、最低10年(メインストリーム5年+延長5年)のサポートが提供されます。Windows Server 2016とWindows Server バージョン1709は別のSKU(製品単位)であり、「Windows Server 2016、バージョン1709」では決してありません。
Windows Server半期チャネルは、技術革新が激しく、リリースサイクルの短い、アプリ開発やクラウドの基盤を想定したものであり、オンプレミスの物理サーバのOSには適したものではありません。また、GUIを必要とする役割(リモートデスクトップサービスなど)を提供しないため(現状、その予定もありません)、Server CoreとNano Serverのみで提供されます。GUIの機能は、今後もLTSCバージョンで提供されます。詳しくは、本連載の第96回で説明しました。
- Windows Server 2016の次は「1709」? いえ、2016の次はまだ出ていません!(第96回、2017年11月7日公開)
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