「おじさんプログラマー」は「気に入られ力」を磨け!:仕事が「つまんない」ままでいいの?(38)(4/4 ページ)
プログラミングは若手だけのもの? 人生100年時代の「おじさんプログラマー」像とは――。
人生100年時代の「おじさんプログラマー」像
でも、思うんです。直近の「稼ぐこと」ではなく、冒頭の若宮さんのような「周りの人に役立つプログラマー」なら、目指せるのではないかと。
ここ数年、「人生100年時代」という言葉を聞く機会が増えました。
リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著『LIFE SHIFT』(東洋経済新報社)によると、今、人類の寿命が延びており、「2007年生まれの子どもの50%は、104歳まで生きる」らしいです。1997年生まれなら101〜102歳、1987年生まれなら98〜100歳、1977年生まれは95〜98歳、1967年生まれは92〜96歳、1957年生まれは89〜94歳まで生きる可能性が50%あるといいます。
私は1971年生まれ。ということは、95歳ぐらいまで生きることになるかもしれません。今までのように定年が65歳だとすると、定年後の時間が30年近くあります。
また、少子高齢化が加速度的に進む今後は、社会保障がどうなるかもよく分かりません。今後の生きがいや働きがい、生活設計などについて、長期的な視点で考えていく必要が、今まで以上にありそうです。
このように考えたとき、若宮さんのような「周りの人に役立つプログラマー」像は、私たちに多くの示唆を与えてくれます。
ベテラン世代が使えるようなスマートフォンのアプリを作って配布するなど、「社会貢献型のプログラマー」なら、今から目指してもいいのではないでしょうか。プログラマーとして「稼ぐ」ことは難しいかもしれませんが、たくさんの「ありがとう」は、お金以上の報酬だと思います。その結果、お金につながることもあるかもしれませんし。
また、2017年の暮れ、政府は働き方改革の一環として、「副業・兼業の促進に関するガイドライン(案)」を発表しました。今はまだ、副業の流れは小さいけれど、今後、労働人口の減少や社会問題の増加とともに、その必要性は増えてくるのではないかと予想しています。「現役バリバリのプログラマー」は無理でも、NPOのような非営利組織に所属して、ITの困りごとを解決するような関わり方なら喜ばれるかもしれません。
そういう方向性を今から考えておくのも、よいですよね。
おじさんプログラマー「Hello World!」を試す
というわけで、私もこの機会に、久しぶりにプログラミングをしてみたいなーと考えています。実は以前からスマートフォン用のアプリを作ってみたいと思っていたのです。
正直、自信はありません。できるかも分かりません。
でも、始めないと何も始まらないので、取りあえず@ITの「Android Studio超入門――ダウンロード、インストール(Macもあり)、使い方を総まとめ」に従って、開発環境を作ってみました。
おー! 久しぶりのHello World!
大切なのはここからなのでしょうけれど。挫折しちゃうかもしれないし、時間がかかるかもしれないから、「そういえば、おじさんプログラマーの件、どうなった?」とか、聞かないでね。
筆者プロフィール
しごとのみらい理事長 竹内義晴
「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。
著書「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。
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