SQL Server 2008/Windows Server 2008のサポート終了を延長する「拡張セキュリティ更新プログラム」、Azureなら3年間無料:Microsoft Azure最新機能フォローアップ(55)(2/2 ページ)
標準の延長サポート終了が近づくSQL ServerとWindows Serverに対し、延長サポートを3年間拡張する新たなオプションが発表されました。これは2016年12月に発表された「Premium Assurance」を置き換えるものであり、Azure仮想マシンに対しては無償提供されます。
最大6年延長の「Premium Assurance」契約はどうなった?
Microsoftは2016年12月、今回と同じSQL ServerとWindows Serverを最大6年延長する「Premium Assurance」(SQL Server Premium Assurance、Windows Server Premium Assurance)を発表しました。2017年3月からは、このPremium Assuranceの購入が可能になったという発表もありましたが(ただし、その時点で対象製品のサポートはまだ終了していませんでした)、その後、話を聞かなくなりました。
現在、Microsoftのサイトやブログには、Premium Assuranceに関連するドキュメントやブログ記事は見当たりません。今回の発表にも、Premium Assuranceに関連する記述はありませんでした。延長期間(Premium Assuranceは6年)と料金が異なるものの、今回発表された延長セキュリティ更新プログラムとその内容は重複しています。
その答えは、最初に紹介したアナウンスからリンクされている「よく寄せられる質問(英語)」のドキュメント(Extended_Security_Updates_for_Windows_Server_2008_and_SQL_Server_2008_End_of_Service_FAQ.pdf)の中にありました。次のように説明されています。つまり、延長セキュリティ更新プログラムは、Premium Assuranceを置き換えるものだったのです。
オンプレミス環境向けの拡張セキュリティ更新プログラム:拡張セキュリティ更新プログラムは、オンプレミスまたはホスティング環境で実行されているワークロードでも使用できます。Enterprise Agreement(EA)加入契約の下、アクティブなソフトウェアアシュアランスまたはサブスクリプションライセンスでWindows ServerまたはSQL Serverを実行しているお客さまは、サポート終了後、3年間、1年ごとに延長セキュリティ更新プログラムを購入することができます。お客さまは、カバーする必要があるサーバに対してのみ、拡張セキュリティ更新プログラムを購入できます。このオファーは、Premium Assuranceを置き換えるものです。
このオファーはPremium Assuranceを置き換えるものですか?:はい、Premium Assuranceは今後販売しません。既にPremium Assuranceを購入したお客さまについては、Premium Assuranceの契約条件を尊重します。
(注:原文は英語、筆者訳)
移行準備を支援する専用ポータルサイトも開設済み
Microsoftは今回の発表に合わせて、移行準備を支援するポータルサイト「Prepare for SQL Server and Windows Server 2008 end of support」を開設しました(画面1)。現在、日本語サイトは用意されていませんが、対象製品を利用中の場合は確認してみてください。
筆者紹介
山市 良(やまいち りょう)
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。
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