国内BDAソフトウェア市場予測、2022年まで年成長8.6%で3800億円規模に DX推進がけん引――IDC調べ
IDC Japanの調査によると、2017年の「国内ビッグデータ/アナリティクス(BDA)ソフトウェア市場」は、前年比成長率9.4%の2517億7600万円の市場規模と判明。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に伴い、年間平均成長率(CAGR)8.6%で成長を続け、2022年には3800億2400万円に達すると予測する。
IDC Japanは2018年8月7日、国内の「ビッグデータ/アナリティクス(BDA:Big Data and Analytics)ソフトウェア市場」の調査結果をまとめ、2022年までの同市場の予測を発表した。
なお、IDCが定義するBDAソフトウェアには、「分析情報管理/統合基盤」「BI/分析ツール」「パフォーマンス管理/アナリティクスアプリケーション」が含まれる。
調査結果によると、2017年の国内BDAソフトウェア市場は、前年比9.4%増の高い成長率を記録し、市場規模は2517億7600万円となった。IDCでは、データウェアハウスなどのプラットフォーム分野からCRM(顧客関係管理)などのアプリケーション分野まで、パブリッククラウド上のサービス利用に弾みがついており、市場の拡大に貢献していると分析。
また、2022年までの予測期間は、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)への投資がBDAソフトウェア市場の拡大にポジティブな影響を与えると予測する。
2022年には国内BDAソフトウェア市場規模は3800億2400万円となり、2017年から2022年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は8.6%になると見ている。
IDCでは、企業が高い生産性を備えたハイレベルなDXの取り組みを推進し、デジタルネイティブ企業に対抗するような競争力を確保するには、BDAソフトウェアを中核に据えた意思決定中心型のアーキテクチャを持つDXプラットフォームが求められることから、DXプラットフォームの実現に向けた動きが市場をけん引すると分析。特に「Hadoop」や「NoSQL」などのノンリレーショナル分析データストア、コグニティブ/AIソフトウェアプラットフォーム、コンティニュアスアナリティクスソフトウェアなどに多くの投資が行われると見ている。
そうした企業のニーズに対し、サプライヤーは分断化された個別システムの提案にとどまらず、中長期的な視点で企業全体を支えるプラットフォームを提案し、顧客のDX活動をサポートしていくことが求められるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- クライアント仮想化導入企業の約6割がデジタルワークスペースを導入、経営・ビジネス課題への貢献度は4割――IDC調べ
IDC Japanがまとめた国内クライアント仮想化市場のユーザー動向調査によると、クライアント仮想化の導入済み企業の55.8%がデジタルワークスペースを導入しており、業務、用途、利用場所は拡張傾向にあった。また、経営課題、ビジネス課題へのデジタルワークスペースの貢献度は約4割にとどまった。 - 企業のIT支出、2018年は約4割が事業部門による支出、2021年まで4%で成長――IDC予測
2018年の国内企業におけるIT支出のうち、事業/業務部による支出(LOB支出)が市場の約40%を占める4兆8793億円と予測。LOB支出は金融、製造、運輸、公共/公益、建設/土木産業を中心に、2021年まで年間平均成長率(CAGR)4%で成長すると分析する。 - 2017年の市場規模は2016年のほぼ倍――IDC Japanが今後の「国内コグニティブ/AIシステム」の市場規模を予測
IDC Japanは、「国内コグニティブ/AIシステム」の市場規模について、2017年の分析と2018〜2022年の予測を発表した。2017年の市場規模は、前年比倍増の274億7600万円。2022年には2947億5400万円に達すると予測する。 - 「AIを最大限に利用するには何が必要」、AIが雇用に与える影響とは――Microsoft
MicrosoftのRalph Haupter氏はAIが雇用に与える影響について述べた。急速に変化するAIの未来に適合するには、あらゆる利害関係者がより多くの時間をかけて互いの意見に耳を傾け、共に新たな知識とスキルを継続的に学んでいく必要があるとしている。