Rubyがきっかけで、「www(草生える)」を英語で解説――GitHubのエンジニアが語る、“世界とつながるスキル”:Go AbekawaのGo Global!〜Aaron Patterson編(5/5 ページ)
プログラミング言語「Ruby」のコミュニティーで英語と日本語を駆使して活躍するGitHubのソフトウェアエンジニア、Aaron Patterson(アーロン・パターソン)氏。Twitterで「www(草生える)」を英語で解説したことでも有名な彼は、18歳からプログラマーとして成長を重ねてきた苦労人でもある。そんな彼がRubyに出会ったきっかけと、今考える「オープンソースの世界でエンジニアに必要なスキル」とは?
読者へのメッセージ
阿部川 最後になりますが、読者の方々にメッセージをいただけますか?
アーロンさん うーん、難しいですね……自分は普通のプログラマーの1人だと思っているので。メッセージとか、プログラミングの未来とか、ちょっと恐れ多くて……。
阿部川 では、例えば私が今駆け出しのRubyプログラマーだったら、5年、10年先を見据えて、今何をしたらいいでしょうか?
アーロンさん まずはPerlを学んでください。Perlこそ、プログラマーにとって、とても大切な言語の1つです。それと、お話ししてきたコミュニケーションスキルですね。もし僕が、若い頃の自分に声をかけられるとしたら、この2つです。「それさえできれば、もう大丈夫だ」と(笑)。
おまけ
阿部川 一番好きな日本の食べ物は何ですか?
アーロンさん 難しい質問ですね……スープカレーもトンカツも大好きです。米国にもトンカツはありますが、日本のそれとは比べものになりません。それと揚げ物ですね。(日本語で)アメリカ人だから揚げ物は大好物です。
阿部川 きのこもお好きなんですよね。次回は松茸の話をしましょう。お忙しい中大変ありがとうございます。
アーロンさん はい、米国で、タダで松茸を穫ることができるところを知っていますから、次回は是非その話も! 英語を学んで、松茸を食べよう(笑)今日はありがとうございます。
Go's think aloud――インタビューを終えて――
イベント「GitHub Satellite 2018」の会場で行われたインタビューは、いつにも増して、笑いの絶えないものだった。
ご自身でよくジョークを言い、それにご自身がよく受けていた。私も負けじと随所にジョークを入れたが(それにも毎回、しっかりと反応して笑ってくれたが)、その質と量にはまったく圧倒された。人を楽しくさせる資質は天性のものかもしれないが、明るい会話の絶えない家庭に育ったことで培われたものかもしれない。エンジニアの両親は、アーロンさんが幼い頃から、愛情たっぷりによく語りかけてくれた。知らず知らずのうちに、それがエンジニアになるための学びになったのではないだろうか。
現在、Ruby Railsの進化や向上は、彼のチームの腕に委ねられているといっても過言ではない。日本から発したプログラム言語は、ついには日本語や日本文化まで学んでくれた英才プログラマーらによって育てられている。日本の伝統が、多くの文化を背景に持つ人々に育まれ、そしてグローバルな世界へと大きく羽ばたいている。
その場に集結した数百人にものぼるプログラマーの熱気と、アーロンさんへのインタビューは、プログラミングが間違いなく世界を1つにする力を持つことを、しっかりと見せつけてくれた。
阿部川久広(Hisahiro Go Abekawa)
アイティメディア グローバルビジネス担当シニアヴァイスプレジデント兼エグゼクティブプロデューサー、ライター、レポーター
コンサルタントを経て、アップル、ディズニーなどでマーケティングの要職を歴任。大学在学時より通訳、翻訳なども行い、CNNニュースキャスターを2年間務めた。現在は英語やコミュニケーション、プレゼンテーションのトレーナーとして講座、講演を行うほか、作家として執筆、翻訳も行っている。
編集部から
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