神奈川県、RPAロボで県庁の定型業務を自動化――富士通、大崎コンピュータと共同でRPA導入の実証実験
神奈川県は、富士通、大崎コンピュータエンヂニアリング(大崎コンピュータ)と提携し、県庁業務にRPAを活用して、業務効率化と業務負担軽減などを図る実証実験を開始した。通勤手当の認定業務と災害時用の職員配備計画の作成業務をRPAロボットで自動化し、効果を検証する。
富士通と大崎コンピュータエンヂニアリング(以下、大崎コンピュータ)は2018年9月21日、神奈川県と、県庁の業務効率化と働き方改革の推進に向けてRPA(Robotic Process Automation)を活用する実証事業に関する連携協定を締結し、同日より実証実験を開始した。期間は、2018年12月31日までの約3カ月間の予定。
実証実験では、人手と時間を要する非システム化領域の業務を対象にRPAを適用し、職員の業務負荷軽減やミス防止の効果などを検証する。
具体的には、大崎コンピュータエンヂニアリングが提供する自治体向けRPAソリューション「OCEVISTAS」を用いて、給与事務センターが実施している約2000件の職員の通勤手当認定業務をRPAで自動化。また、約280所属が毎年作成している災害時の職員配備計画の作成業務にもRPAを適用する。
富士通と共同で、これらの業務を手作業で行う場合と、RPAを活用して一部作業を自動化した場合にかかる時間を測定し、効果を検証する。
実証実験を通して神奈川県では、現行業務の分析と自動化の効果測定、効果検証を実施。富士通は、RPAフローの検討やRPAを稼働させるためのネットワーク、仮想サーバなどの実証環境の構築とその効果検証を行う。大崎コンピュータは、RPAフローの検討に加え、OCEVISTASとソフトウェアロボットの開発、効果検証を行う。
なお、OCEVISTASは、RPAテクノロジーズの「BizRobo!」の技術をベースにしたRPAソリューションで、RPAテクノロジーズとパートナー契約を締結している大崎コンピュータが自治体向けに提供している。Webシステム、Officeアプリケーション(Word、Excel、Accessなど)、ファイルサーバなど、システム間の横断的な利用が発生する広範囲な事務を自動化できるのが特徴となっている。
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