低い収入に甘んじていることは、業界全体への裏切り――エンジニアの年収を上げる3つの方法:うわっ……私の給料、少な過ぎ……?(2/5 ページ)
その時々に応じた技術と経験を持ち、それを適切な価格で供給すること。それは、あなたの給与を上げるだけではなく、周りのエンジニアみんなの給与を上げることにつながるのだ。
エンジニアと「相場価格」
技術の安売りは業界全体への裏切り
2018年8月版のDODA「転職求人倍率レポート」によると、IT業界の有効求人倍率は6.41倍、とあるイベントで聞いた話では、Web系のエンジニアに限定すると9倍、10倍にも跳ね上がるのだそうです。つまり、まともなスキルと経験を持ったWeb系エンジニアには1人につき10以上の求人があってもおかしくない、ということです。
需要が供給を上回れば物価が上がる、というのは経済の基本的な原則です。ここ数年エンジニア不足が深刻化し、中途も新卒も年収の相場価格は上がる一方です。日々応募書類を見続けている採用担当菌類も痛感しています。
ぶっちゃけていうと、まともな腕があって年収450万円で転職希望のエンジニアは「お買い得」です。もしあなたが該当するなら、今すぐ菌類にご相談ください。いくらでも転職先をご案内します。
お買い得というのはつまり、正当な価格がついていない状態です。物価にはたいてい「相場」というものがあり、需給関係から「これが適切」という数値に収束していくのが市場経済です。企業にとって「お買い得」な状態でいること、それはつまり技術の安売りに外ならないのです。
かつては3Kだの7Kだの17Kだの24Kだの「K」が増え続け、帰れない職業の筆頭に挙げられたITエンジニア。しかし2017年、ついに「中高生のなりたい職業」第1位になる調査結果も出るほど、認知も社会的地位も高まっているのです。
ああそれなのに、安売りをするエンジニアよ。
エンジニアは謙虚なので、すごいエンジニアを見て「俺なんてまだまだ」と思ってしまいがちです。しかし、腕に応じた市場価格というものがあり、自分を適正な値段で売り込んでいかないと、業界全体の地位も給与水準も上がっていかないのです。「お前が安売りするから俺の給料上がんねーんだよ!」なんて、言われたくないでしょう?
エンジニアとしてキャリアを積んでいく道中、その時々に応じた技術と経験を持ち、それを適切な価格で供給すること。それはあなたの給与を上げるだけではなく、周りのエンジニアみんなの給与を上げることにつながるのです。
ウソやハッタリは、ダメ、ゼッタイ。でも、安売りもダメ、ゼッタイ。技術のトレンドだけでなく、「相場価格」にも注目し、不当な安売りになっていないかをモニタリングすることも、今後のキャリア形成には重要なポイントです。
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