検索
連載

まだまだ続くブロッキング議論、なぜ進めたいのか?セキュリティクラスタ まとめのまとめ 2018年10月版(1/3 ページ)

2018年10月のセキュリティクラスタは「ブロッキングの議論」「個人サービスを終了したgoogle+」「スマホアプリが個人情報を過剰に取得する問題」に注目が集まりました。

Share
Tweet
LINE
Hatena
「セキュリティクラスタ まとめのまとめ」のインデックス

セキュリティクラスタ まとめのまとめ 一覧

「漫画村」の運営者情報をクラウドフレアから得たのに、なおブロッキングの主張が続く

 漫画の海賊版サイト「漫画村」が2018年4月に閉鎖されて半年がたちました。しかし、まだまだブロッキングを推進したい@nkawa2525氏と他のメンバーがブロッキングについての議論を進めています。

 クラウドフレアが海賊版を配信している業者の情報を開示せず、削除要請にも応じないため、ブロッキングが必要だというのが、@nkawa2525氏の意見でした。しかし、@kirik_game氏が、そもそも法的措置をとっていなかったのではないかと疑問を投げかけました。

 これに対しクラウドフレアは情報開示請求に応じるわけがない、できると主張している壇俊光弁護士は著作権を侵害しているWebサイトの利害関係者だと主張するツイートを行い、相変わらず議論は平行線のままです。

 ところが、10月9日になって事態が急変しました。東京地方裁判所がクラウドフレアに対して、キャッシュファイル削除と発信者情報開示を命じる仮処分を決定したのです。ブロッキングの理由として挙げられていたクラウドフレアの問題が解決し、ブロッキングを進める理由がなくなってしまいました。

 そして10月10日には「漫画村」の運営者情報をクラウドフレアから得ていた人物がいたことも明らかになります。これによっていよいよ「クラウドフレアは要求に応じない」という意見は誤りだと分かり、これまでの議論は何だったのかとあきれる声が上がりました。「海賊版対策タスクフォース」の意味もなくなったという意見も出ました。

 これに対してはクラウドフレア以外にも、配信に使われたCDN(Content Delivery Network)が存在するため、ブロッキングは必要ではないかという少数の意見がありました。その後、10月15日に海賊版対策タスクフォースが開催されたものの、意見はまとまらず、政府検討会は無期限延期になってしまいました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ

Security & Trust 記事ランキング

  1. 約9割の経営層が「ランサムウェアは危ない」と認識、だが約4割は「問題解決は自分の役割ではない」と考えている Vade調査
  2. ランサムウェア攻撃を受けた企業、約6割が「サプライチェーンのパートナー経由で影響を受けた」 OpenText調査
  3. 人命を盾にする医療機関へのランサムウェア攻撃、身代金の平均支払額や損失額は? 主な手口と有効な対策とは? Microsoftがレポート
  4. 長続きする高度セキュリティ人材育成の秘訣を「第19回情報危機管理コンテスト」から探る
  5. セキュリティ専門家も「何かがおかしいけれど、攻撃とは言い切れない」と判断に迷う現象が急増 EGセキュアソリューションズ
  6. セキュリティ担当者の54%が「脅威検知ツールのせいで仕事が増える」と回答、懸念の正体とは? Vectra AI調査
  7. 正規通信との区別はほぼ不可能な「偽のMicrosoftメール」に注意、「従来のセキュリティでは認識しにくい」のはなぜ? 対策は?
  8. 米国/英国政府が勧告する25の脆弱性、活発に悪用されている9件のCVEとは、その対処法は? GreyNoise Intelligence調査
  9. 2024年10月現在で「過度な期待」をされているセキュリティ技術は何? ガートナーがハイプ・サイクルを発表
  10. MicrosoftがAD認証情報を盗むサイバー攻撃「Kerberoasting」を警告 検知/防御方法は?
ページトップに戻る