扉の傾きで検知――「加速度センサー」を使ったポスト投函の検知術:身近な課題から学ぶ「IoT手法」(2)(2/4 ページ)
複数の実装手法があるIoT。今回は、身近な課題として、ポストの開閉検知を「加速度センサー」で実現する方法を紹介していきます。
開発をするための準備
Arduino IDEをインストールする
M5Stackにプログラムを書き込む開発環境として、フリーソフトウェア「Arduino IDE」を使います。ダウンロードとインストール方法は、第1回を確認してください。
USBドライバをインストールする
Silicon LabsのWebサイトからOSに合わせて、USBドライバ(CP210x USB to UART Bridge VCP Drivers)をダウンロードします。
なおWindows 10用のドライバは、不具合が発生する可能性があるため、Windows 10を使用している方は、Windows 7/8用ドライバのダウンロードをお勧めします。
ダウンロードしたフォルダを解凍し、その中にある「CP210xVCPInstaller_x64.exe」を実行してインストールします。
Arduino core for the ESP32をインストールする
Arduino IDEでM5Stackを使用するには、「Arduino core for the ESP32」というライブラリをインストールする必要があります。Arduino IDEを開き、[ファイル]→[環境設定]→[スケッチブックの保存場所]を確認します。
確認した場所に、「hardware\espressif」という階層で「esp32」フォルダを作成します。Arduino core for the ESP32のGitHubにアクセスし、ファイルを全てダウンロードして、先ほど作ったesp32フォルダにダウンロードしたファイルを保存します。
その後、ダウンロードしたArduino core for the ESP32の「tools」フォルダにある「get.exe」を右クリックし、「管理者として実行」します。しばらくするとインストールが完了します。
ライブラリのインストール
Arduino IDEを起動して、[スケッチ]→[ライブラリをインクルード]→[ライブラリを管理]をクリックします。
検索フィルターに「M5Stack」と入力し、「M5Stack by M5Stack」というライブラリを選択し、[インストール]をクリックします。
ボードマネージャーのポートの設定
ツールバーから[ツール]→[ボード]を開き、「M5Stack-Core-ESP32」を選択します。これで準備は完了です。
配線
ブレッドボードの使い方
ブレッドボードは、下記のように列ごとに連結しています。黄色のラインは、主に電源用に使われる部分です。緑のラインは縦に5穴連結しています(黄緑で覆われた範囲は、全て緑のラインが適用されます)。
センサーやジャンパーを差し込むときは、列の並びに注意し、ショートさせないようにします。今回は、緑のラインをまたぐように加速度センサーを差し込みます。
M5Stackと加速度センサーを接続する
加速度センサーをM5Stackに接続します。加速度センサーをブレッドボードに差し込み、M5Stackとセンサーの「3.3V」「5V」「SDA」「SCL」同士をジャンパーワイヤでつなぎます。全てつなぐと、下記のようになります。
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