Google、マネージドKubernetesサービスの新版「GKE Advanced」を発表:極めて要求の厳しいアプリに対応
Googleは、マネージドKubernetesサービス「Google Kubernetes Engine(GKE)」の新エディション「GKE Advanced」を発表し、従来のGKEを「GKE Standard」へ改称した。GKE Advancedは極めて要求の厳しいアプリケーションでの利用を想定する。
Googleは2019年4月17日(米国時間)、「Google Kubernetes Engine(GKE)」の新エディション「GKE Advanced」を発表した。極めて要求の厳しいアプリケーションでの利用を想定する。2019年第2四半期にリリースする予定。無料トライアルサービスも用意する。
GKEは、「Google Cloud」上の「Kubernetes」を利用して、コンテナ化されたアプリケーションをデプロイ、管理、スケーリングできるマネージドサービス。2014年にGoogleがオープンソースソフトウェアとして公開した。
GKE Advancedの発表に伴い、Googleは既存のGKEを「GKE Standard」へ改称した。GKEの両エディションの概要は次の通り。
GKE Advanced
Kubernetesのポータビリティーやサードパーティーエコシステムの恩恵は従来のGKEと変わらず、機能が強化された。
高度なインフラ自動化や、セキュリティ強化を目的とした統合型ソフトウェアサプライチェーンツール、返金規定を含むSLA(サービスレベル契約)の適用による信頼性へのコミットメント、サーバレスワークロードの実行をサポートする。
GKE Advancedの高度な新機能やツールは、企業が急速に変化する環境の中で、ワークロードやクラスタの管理を簡素化したり、スケーリングを簡単に行ったりするのに役立つ。
GKE Standard
GKEが現在、正式に提供している機能を完備し、複雑度が低いプロジェクト向けのマネージドサービスを提供する。多数のサードパーティー製品が統合されたGoogle Cloud Platform(GCP)の豊富なエコシステムを引き続き利用できる。こうした統合機能の一部はGCP Marketplaceで提供されている。
GKE Advancedの機能は数多い。概要は次の通り。
充実したSLAを追加
99.95%の可用性を保証するSLAが適用され、このサービスレベルが維持されなかった場合は返金を受けられる。このため、ミッションクリティカルなワークロードを安心して実行できる。
自動化を簡単に実現できる
2つの新機能により、Kubernetesクラスタのスケーリングによる可用性と信頼性の確保を容易にした。「Vertical Pod Autoscaler」(VPA:垂直ポッド自動スケーラー)は、ユーザーが使用する環境でリソース利用率を監視し、CPU要求やメモリ要求を調整して、ワークロードを安定化する。「Node Auto Provisioning」(ノード自動プロビジョニング)は、「Cluster Autoscaling」(クラスタ自動スケーリング)の強化版であり、クラスタリソースを最適化する。
防御レイヤーを追加
軽量のコンテナランタイム「GKE Sandbox」を提供する。GKE Sandboxは「gVisor」をベースにしており、ポッドレイヤーに防御レイヤーを追加し、コンテナ化されたアプリケーションのセキュリティを強化する。コードや構成を変更する必要はなく、管理操作を新たに覚える必要もない。
ソフトウェアサプライチェーンでセキュリティを高める
「Binary Authorization」(バイナリ認可)により、ビルドとテストプロセスにおいて、信頼性の高い機関によってコンテナイメージに署名が施される。ビルドとリリースプロセスでは、こうした認証済みのイメージだけが統合されるように強制することで、コンテナ環境を厳密に管理できる。
サーバレスコンピューティングを実現する
コードの実行基盤となるインフラストラクチャを気に掛けることなく、アプリケーションを素早く開発して起動できるよう、「Cloud Run on GKE」が、ステートレスサービスのデプロイと実行に関して一貫した開発者エクスペリエンスを提供する。「Knative」をベースに、自動的なスケーリングやネットワーキング、ルーティング、ロギング、モニタリングを実現する。
インフラ使用状況を把握しやすい
GKE usage metering(GKEの使用状況の管理)を利用することで、テナントごとにクラスタリソースの消費量や使用率の急増を把握できる。クラスタの使用状況をKubernetesの名前空間とラベル別に把握し、これを基に顧客や部門といったエンティティーごとの使用状況を割り出すことができる。
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