「Oracle Cloud」の東京リージョン開設 日本オラクルが2つの狙いを語る:今後6カ月以内に大阪リージョンを提供予定
日本オラクルは、Oracle Cloudの東京リージョンを開設し、提供を開始した。
日本オラクルは2019年5月8日、Oracle Cloudの東京リージョンを開設し、提供を開始したと発表した。同社が開発した「Generation 2 Cloud」(以下、Gen2 Cloud)で構築され、自律型データベース「Oracle Autonomous Database」などのサービスを利用できる。
Gen2 Cloudは、「Oracle Cloud Infrastructure」を基盤とするクラウド(関連記事:「Oracleのエリソン会長、第2世代クラウドのビジョンを明らかに」)。顧客環境とクラウド管理環境を分離する「オフボックスの仮想化」やWAF(Webアプリケーションファイアウォール)/DNSなどのためのセキュリティサービスを提供する。
同日に開いた記者説明会で、日本オラクル取締役員兼クラウドプラットフォーム戦略統括の竹爪慎治氏は、東京リージョン開設の狙いを説明した。
「東京リージョンでのクラウド提供には2つの軸がある。1つはエンタープライズ。近年、基幹システムのクラウド移行に需要が出てきてはいるが、道半ばなのが現状だ。Gen2 Cloudにより、従来のOracle Cloudにはないセキュリティ、拡張性、移行性を基幹システム向けに提供していく。もう1つは、イノベーションだ。デジタルトランスフォーメーションの鍵となるデータの利活用に対し、自律型データベースや、クラウドネイティブ開発環境を提供していく」
日本オラクル取締役社長兼最高経営責任者のフランク・オーバーマイヤー氏は「今後6カ月以内に大阪リージョンを開設する予定だ。現在、日本で提供しているOracle Cloudのアーキテクチャは速やかにGen2 Cloudに置き換えていく。利用者は特に何も作業をすることなくGen2 Cloudを利用できるようになる」と述べた。
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