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働き方改革では、心の病は防げない:仕事が「つまんない」ままでいいの?(55)(2/4 ページ)
「心の病による労災申請過去最多」なのだそうです。ストレスチェックや働き方改革をしているのに、なぜなのでしょう?――大切なのは「労働者の心の強さ」ではなく「職場の心理的な安全」なのかもしれません。
「弱み」を打ち明けられなかった私たち
私は、今までの「職場」にも問題があるように思います。
これまで、職場で評価されるためには、いかに自分が「優れた人間か」をアピールする必要がありました。弱みを共有したり、過ちを認めたりすることはなかなかできません。
「最近、少し働き過ぎ」「ちょっと疲れている」と思っても、「すぐに弱音を吐くヤツ」と思われたくなくて、気合いで乗り切るしかありませんでした。
また、「子どもが熱を出したら帰らなければならない」「親の介護で定時で帰らなければならない」といったプライベートの情報を伝えることもリスクでした。そのストレスは、一人で抱え込むしかありません。
そして、疲れ果てた多くのビジネスパーソンは「心の病」と診断され、休職し、薬を飲んで寝ることしかできませんでした。
マネジメント層の意識も問題です。
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