「子どもにプログラミングを学習させたい」は4割以上、NECPCが調査:学習しているのは1割未満
NECパーソナルコンピュータは、子どものプログラミング学習とPCの使用実態に関する調査の結果を発表した。子どもにプログラミングを学習させたいとする割合は4割以上、実際に学習している割合は1.9%だった。
NECパーソナルコンピュータ(NECPC)は2020年1月21日、子どものプログラミング学習とPCの使用実態に関する調査結果を発表した。対象は、小学生の子どもがいる全国の保護者8626人。同調査によると、すでにプログラミングを習っている割合は1.9%で、バレエや絵画と同程度だった。
まず、子どもにプログラミングを学習させたいかどうかを聞いたところ、「とても習わせたい」と回答した割合は13.1%、「習わせたい」は30.9%で、習わせたいと考えている保護者の割合は合計44%を占めた。
現在子どもが習っているものを調べると、1位は水泳で25.7%、2位は学習塾で18.7%、3位はピアノで17.0%をそれぞれ占め、プログラミングは14位で1.9%だった。これに対して習わせたいものを聞くと、プログラミングは7位で11.4%が回答した。
次に、子どもがPCを使うことの必要性を尋ねると、「必要性を感じる」と回答した割合は27.2%、「どちらかというと必要性を感じる」は41.2%で、合計68.4%が必要性を感じていた。
「ネット中毒」「知らない人とつながる」――子どもにPCを使わせることに対する不安の声
子どもにPCを使わせ始めた時期では、「小学1年生のとき」が最も多く21.0%、次点は「小学3年生のとき」で19.0%だった。「未就学時(小学校入学前)」も14.3%あった。
子どもにPCを使わせた理由で最も多かったのは「キーボードやマウスの操作に慣れさせたいから」で、47.5%が挙げた。次いで、「タイピングに慣れさせたいから」が40.2%、「情報検索させたいから」が31.8%。「プログラミングを学習させたいから」は4位で26.0%だった。
これに対して子どもに自宅でPCを使ってさせたいことでは、「プログラミング学習」が最も多かった(30.8%)。プログラミング以外では、「英語学習」や「学習に関連した調べ物」、各教科の学習など、学習用途がほとんどだった。
今回の調査では、小学生の子どもにPCを使わせることで、「好奇心旺盛になった」や「自分から進んで勉強するようになった」との好影響が出ていることも分かった。また1台のPCを家族で共用するよりも、子どもに専用のPCを与えた方が学習ヘの効果が高いことも分かった。
ただし、子どもにPCを使わせることに対する不安の声も上がった。不安要素のトップ3は、「PCをやりすぎてしまうこと(ネット中毒)」(67.6%)、「有害なサイトやコンテンツを閲覧すること」(67.4%)、「知らない人とつながってしまうこと」(66.4%)。他にも、個人情報の漏えいや、ネット上でのトラブルを挙げた割合も6割を超えていた。
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