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みんなでソリティアを一緒にやりたかったから、勉強したGo AbekawaのGo Global!〜Cyril Samovskiy編(前)(1/2 ページ)

IT大国として有名なウクライナでIT企業を経営するキリルさんは、どのようにしてITに親しんでいったのか。

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 国境を越えて活躍するエンジニアにお話を伺う「Go Global!」シリーズ。今回ご登場いただくのは、ウクライナでIT企業「Mobilunity」を創設したCyril Samovskiy(キリル・サモフスキー)さん。

 聞き手は、アップルやディズニーなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。当時は高価で珍しかったPCを家族に買ってもらい、ゲームに没頭した少年が次に興味を持ったこととは――。

兄の背中を追いかけて

阿部川“Go”久広(以降、阿部川) お生まれはどちらですか。


幼少期のキリルさん。シャツの柄がかわいい

Cyril Samovskiy(キリル・サモフスキー、以降、キリルさん) ウクライナのキエフです。キエフで生まれ、キエフで育ち、中学高校、そして大学も、起業もキエフでしました。ウクライナで働くIT業界の人の多くは、キエフで学んだり、就職したりしています。

阿部川 キエフがお好きなんですね。

キリルさん まあ、そうだと思います。もちろん、若いころは何とかして世界に逃げ出そうとしましたが(笑)。時には好きなものとは距離を置くことも必要ですから。1週間や2週間離れてみると、故郷の良さが分かります。

阿部川 恋人の関係に似ていますね。離れてみて、ようやくその良さが分かる(笑)。

キリルさん 全くその通りです。

阿部川 今、お幾つですか。

キリルさん 38歳です、もうすぐ39歳になります。年齢の質問をされるといつも思うことがあります。「私はこの年齢にふさわしいことをしてきたのだろうか」「自信を持って、やってきたことを言えるだろうか」、あるいは「そろそろ老け始めているだろうか」「40歳になったとき、子供のころ夢見たことができるようになっているだろうか」などです。

 というのも、息子が3人おりまして。彼らがこれからどんな教育を受け、どんなことを考えて成長し、どのように社会に貢献していくか、親として考えるからです。

阿部川 お子さんたちはお幾つですか。

キリルさん 長男が12歳、次男は7歳、末っ子はまだ3カ月です。子育ては結構大変です。末っ子を寝かしつけるために一晩中起きていないといけないこともあります。昨日は彼の寝つきが良かったので、今朝(インタビュー時、キエフは午前9時)はこうして気持ち良く話せます。

阿部川 きっと3人の男の子それぞれに、幼いころのご自身を発見するのではと思います。キリルさんはどんなお子さんだったのですか。


僕はキエフ生まれ、キエフ育ち

キリルさん 面白いことに次男のミーシャが私にとても似ています。あらゆることに興味を示しますし、人付き合いの仕方も似ています。大人が会話をしているときはまあまあ静かにしていますが、子供同士で遊んでいるときは、いろいろなことを大声で話しています。

 私も彼の年代のころは、とにかくよく動く子供でした。3歳上の兄の後をいつもついて歩き、まねをしていました。兄は非常に賢い人で、ハードウェアのエンジニアの道に進みました。もう20年も米国に住んでいるのでそれほど頻繁に会えませんが、今でも兄を尊敬し、いつも注目しています。

阿部川 お兄さんがお手本だったのですね。キリルさんの得意な教科は何だったのですか。

キリルさん 数学でした。大学での専攻は数学とコンピュータサイエンスで、正しい選択だったと思います。というのも、どんなことをするにもこの2つ知識は必要ですし、テクノロジーを進化させているのはこの2つだと思うのです。

 数学は今でも好きで得意ですし、欲しいと思うエンジニアやプログラマーも、大抵数学が得意です。ビッグデータやAIの分野になれば、なおさらこの2つの知識は必要でしょうし、これらが得意であれば、テクノロジーやエンジニアリングの話はある程度理解できると思います。

 将来、機械をわれわれが支配するのか、われわれが支配されるのかは分かりませんが、いずれにしても数学とコンピュータサイエンスが将来においても重要な知識であることは変わらないと思います。

阿部川 「1984」(※)のようにはなりたくないですけどね。

※1984=ジョージ・オーウエル著。近未来の全体主義国家を舞台にした小説

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