2020年代のエンジニアが年収を上げるための戦略 ー現状分析と今後の予想ー:年収を上げたいかー! おー!(1/2 ページ)
アフターコロナに訪れるであろうエンジニア弱肉強食の世界。サバイバルを生き抜き、年収を向上させるために、エンジニアは何を考え、どう行動すればいいのか――。
満員電車で通勤することなく、嫌いな上司に顔を合わせず、好きな時間に、好きな場所で、のんびり仕事ができるノマド型ITエンジニアで年収1000万円!
今から何年くらい前の話でしょうか? こんな類いの広告がぼくのメールボックスを汚していました。一連の広告は、サラリーマンをフリーランスエンジニアへといざなう教材販売が目的だったのでしょうけれど、これが実現できた人ってどれくらいいるんでしょう?
そして2021年、時代は大きく変わりました。ご存じ「コロナ禍」です。ネガティブニュースはマスコミに任せるとして、現状のポジティブだけを拾っていくと、エンジニアの新しいライフスタイルが見えてきます。
まず、通勤が不要になりました。満員電車通勤からの開放です。上司と顔を合わせることも減りました。のんびりできるかどうかはさておき、工夫次第では時間も場所も自由です。労せず、冒頭の広告が提供する世界が実現できてしまいました。足りないのは「高年収」くらいでしょうか?
年収アップはゲームだ
「年収は多ければ多いほど良い」と思っている人はたくさんいると思います。もちろんぼくもその一人です。ですが、目先のことだけをコツコツと頑張って高年収になれるほど世界は甘くありません。市場で出回っているお金の数は有限です。高年収を目指すということは、「合法的なお金の奪い合いゲーム」に参加するということです。
ゲームであるからには、勝つことが大切です。少なくとも勝率を高めるという意識は重要です。そして、ゲームで勝つために必要なのが「戦略」です。
戦略とは何か
究極の戦略は、戦わずして勝つことです。それが難しい場合は、少ないエネルギーで勝利することを目指します。省エネで勝つためには、先回りして戦いを有利に進めることが必要です。今後の局面を予想し、あらかじめ対策を練っておくわけです。今後を予想するためには、まずは現状から把握しなければなりません。
- 現状を整理
- 今後を予測
1.現状を整理
では早速、「現状」を整理していきましょう。現状には、「直近で大きく変わったこと」と「これからも変わらないこと」の2種類があります。
直近で大きく変わったのは「働き方」です。コロナ禍で、エンジニアの多くが半ば強制的にテレワークになりました。戦略については後述しますが、こういう事実は今後の戦略を練るための大きなヒントとなります。時代の変化には敏感に、かつ柔軟でなければいけません。
一方で、これからも変わらないものもあります。例えば業界の構造などがそうです。多くのエンジニアを悩ませている多重下請け構造が劇的に変化することは考えられません。なぜならば、このままの方が都合が良いやからがいるからです。そして彼らの多くは強い権力を持っています。是非についてこの場で議論はしませんが、業界の構造は変わらないことを事実として受け止めて戦略を練る方が効率的です。
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